はなちゃんのみそ汁 番外篇

亡き妻のブログ「早寝早起き玄米生活」アーカイブから

                                               仕事の依頼・問い合わせ                                      

「成人の日」は新たなフェーズ

大人は先回りしない 「子どもには失敗する権利がある」 それが、僕たち夫婦が考える子育ての出発点だった。 親が手伝ってばかりいては、子どもが自立する機会を逃す。 大人は先回りをしない。我慢する。そして、子どもに失敗させる。 子どもは失敗と成功を繰…

成人の日を迎えて

天から授かった命 今日は成人の日。 はなが生まれて20年。 よくぞ、ここまで育ってくれたと思う。 このブログを始めた理由が「最後の子育て」。 そんなふうに、かっこつけていたけど、 実はもう、パパの役割はほとんど終わったような気がしている。 大学生活…

ちゅーは「日々の備え」

遠い記憶の彼方 亡き妻が言うには、ちゅー(キス)は「日々の備え」だとか。 しかし、ちゅーなんてさ。 遠い記憶の彼方。 もう、やり方とか忘れてしもうたばい。 誰か教えてよ。 え、気持ち悪い? えらい、すんまへん。 2019年7月13日 最期のちゅー(2008年1…

あたり前のことができること

涙の理由 その日、わが家には友人たちが集まり、千恵は珍しく少しだけお酒を飲んだ。 機嫌よく、バルコニーで三線を弾きながら「童神」を歌った。 日も暮れて、台所で片付けをしていると、そこに千恵がいないことに気づいた。 はなと一緒に探した。 千恵は襖…

つらい時期、はなの存在に救われて

抗がん剤治療の再開 がん再発後、千恵はホルモン療法の可能性に賭けたが、治療の効果は薄かった。 2006年10月、九州がんセンターの診察室でCT検査結果の画像を見た。 両肺に星の数ほど、骨にもあちらこちらに、肝臓は最大4センチ。 これまでの画像とは明らか…

人に迷惑をかけてもいい

助けてあげられる人に 娘には「人に迷惑をかけちゃいけない」と言い聞かせて育ててきた。 妻のブログ(2008年1月16日)を読んで、人に迷惑をかけてもいい場合がある、ということに気付かされた。 自分ではできないけれど、人に助けてもらってできるのなら、…

「エコかっこいい」にもほどがある

鍋フェチだった妻 わが家のキッチンは、鍋がやたらと多い。 千恵は自称「鍋フェチ」。 人気ブランドのバッグやアクセサリーには全く興味を示さず、誕生日に「新しい服、買ってあげようか」と尋ねても「鍋がほしい」と答える人だった。 先日、鍋の個数を数え…

ジャージの似合う男

夢のような時間 7年前、ドキュメンタリー映画の仕事で、女優の石田ゆり子さんにナレーションを依頼した。 朝から夜まで、録音スタジオでゆり子さんと一緒に過ごした。休憩時間には隣でサンドイッチをつまみ、コーヒーを飲んだ。夢のような時間だった。 その…

大晦日のサプライズ

着物に込めたメッセージ 福岡県宮若市の実家は、写真館と貸衣装屋を営んでいた。 貸衣装は30年ほど前に廃業したが、両親が孫たちのために保存状態の良い着物を残してくれていた。 昨年、成人式を1年後に控えた娘が、本番に備えて好みの振り袖を試着。 デザイ…

うそつきはなさん

あけましておめでとうございます 昨年の正月、娘は実家でこう言いました。 「来年は、はながじいじとばあばに雑煮を作ってあげるね」 そして、迎えた2023年元旦。 ばあばが作った雑煮(2023年1月1日) 忘れていたそうです(笑) 黒豆(2023年1月1日) お屠蘇…

良いお年をお迎えください

常福寺で餅つき 恒例の餅つきで2022年を締めくくりました。 汗びっしょり(2022年12月30日) 娘たちはコートを着たまま(2022年12月30日) はなちゃんの餅、完成(2022年12月30日) つきたてはおいしいね(2022年12月30日) 薪で餅米を蒸す(2022年12月30日…

食卓を囲む家族の風景

来春公開が目標 2年半ぶりに大分県佐伯市の後藤家を訪問した。 東京から帰省する長男の希一君を取材するためだ。 家族で食卓を囲む風景を撮影させてもらった。 実家に到着した希一君。車から降り、向かったその先は‥(2022年12月29日) 祖父母に挨拶(2022年…

映画に登場した子どもたちの「今」

撮影しながら「生きる」を学ぶ きょう(12/29)は、大分県佐伯市で撮影だ。 先月から、映画「弁当の日」に登場してくれた子どもたちの「今」を追っかけながら、短編ドキュメンタリーを製作している。 彼らの成長には驚かされる。 不登校だった夏紅斗君は、思…

人間ドックで安心得る

妻を看取った病院で 14年前に妻の千恵を看取った福岡市内の病院で、人間ドックを受診した。 身内を亡くした病院での検査は縁起の良いものではない。 だが、知人がこの病院で早期の胃がんを見つけ、一命を取り留めたとの話を聞き、2016年から毎年受けるように…

人はそこにいるだけで価値がある

「生の反対は何だと思う?」 15年前、助産師の内田美智子先生から、こう問われたことがある。 僕が「死ですか」と答えると、内田先生は首を横に振った。 「私は死じゃないと思う。生の反対は『生まれないこと』。生まれたものにしか『生』も『死』も存在しな…