今死ぬ気はないから、まだ死ぬ準備はしない
以下、千恵が娘の4歳の誕生日に書いたブログ。
六合目の途中で(2007年2月20日)
昨日、6クール目の投与を終えた。気分は、まだそう悪くはない。
腫瘍マーカーは先月と同じく正常値にほど近いし、白血球も、まずまずといったところ。励みにはなるけれど、数値だけを見て一喜一憂はしないつもり。長年の学びだ。
6合目まできたから、最後までやりぬくしかない。
いろんなことやっているから、何が効いているかわからない、ということはあるけれど。
マクロビ療法の成果は、ひとまず100日後に出ることになる。
なぜ100日なのか?
3日でリンパ腋が入れ替わり、3カ月で血液が入れ替わり、そうして、3年で体中の細胞が生まれ変わる。
中でも、血液が入れ替わる3カ月間が、第一関門。
私にとってマクロビは、体質改善の療法だ。
なぜ、がんは何度も何度もやってくるんだろうか、と考えたとき。
以前と同じ生活をしていたのではいけないのだと思った。
体質を変え、考えを変え、生き方を変え、運命を変える。
人間には、宿命と運命というのがある。
宿命は、生まれた環境とか自分の力だけでは変えられないもの。
でも運命は、自分で変えていくことができる。切り開いていくことができるのだ。
今日は、娘の誕生日。
私の遺伝子を受け継ぐ生命体が、もうひとつこの世にある不思議。
「子どもはあきらめてください」と言われたのに、治療と再発の合い間に五体満足で生まれてきてくれた。まさに、ミラクル。
私の強力なサポート隊長でもある。
がんの母親を持ったことは、彼女の宿命。
いずれ、母の病気の遺伝のことなどで苦しむ日がくるかもしれない(実のところ、がんの遺伝に関する医学的な根拠は、はっきりとはしていないのだが)。
でも、がんの母親を持ったことで、彼女の運命はどんどん開けている。
あるところで出会った女性が、私の病のことを知り、娘を見ながら私にこう言った。
「何が幸せかわからんね」
その通りだ。
母親ががんだったおかげで、福岡で倍率ナンバーワンの保育園にありえないスピードで入園することができた。
母親に付き合わされて、朝から葛入り梅醤油番茶を飲み、玄米を食べ、酵素を飲み、梅干しとたくあんを好み、おやつにいり豆と焼きめざしをかぶりつく。
「夕飯何がいい?」と聞くと、「玄米おにぎりと納豆とお味噌汁♪」と答える3歳児は、世界中探してもそうそういない。
母親はがんだけど、彼女はこれから人一倍生き抜く力を身につけていくだろう。
今死ぬ気はないから、まだ死ぬ準備はしない。
だけど、時間が許す限り、彼女が運命を切り開く手伝いはできる限りやってあげたいと思う。
子どもは、天からの授かりものだ。
いずれ、私の手を離れて、旅に出る。
まだ早いけど、4歳になった今年は、料理を少しずつ教えていこうと思う。
プレゼントは、エプロン。
それから、愛をこめて、ハートのリリオペで囲んだ花のアレンジ。