人生7割で良し
がん闘病中の千恵が実践していた主な治療は、標準治療と食事療法。
もうひとつ、治療の土台として重要視していたことがある。
「心の持ちよう」だ。
具体的には、笑うこと、ぼーっとすること。
千恵は、仲良しの友人とお茶を飲み、映画を観て、公園を散歩した。
ストレスをため込まず、頑張りすぎないことを心がけた。
がんは、低体温が大好物だ。
だから、悩まず、悲しまず、リラックスして副交感神経を優位に保ち、体温を上げる。
頑張りすぎないことが、免疫力アップにつながると信じた。
つまり、100点満点を目指さない「人生7割」の生き方。
千恵は、そうした免疫療法を提唱する安保徹先生(新潟大学医学部)の本をよく読んでいた。
時々、ふざけて、僕にこう言った。
「私はがんよ。文句ある?」
大したヤツである。
でも、それくらいの図太い神経がなければ、がんという病は克服できないのかもしれない。
そんな千恵に最高のプレゼントを贈ることができた。
免疫力アップに少しは貢献できただろうか。
以下、千恵が書いた喜びのブログ。
本日は晴天なり(2007年3月12日)
天気がいいし、絶好のお出かけ日和だというのに、今日は点滴の日。
病気になると、人生の時間の大半を病院で過ごすことになります。
すごく、もったいないですね。もったいないけど、後ろ向きに考えるのは苦手なので、今日も、人間観察などをして楽しみました。病院には、面白い人がたくさんいます。
さて。
今日の報告。
私の場合は、注目すべき腫瘍マーカーの項目が2つあるのですが、ひとつは完全に正常値に。
もうひとつも、あと一歩で正常値です。
主治医は、「しばらく治療を休んでもいいですよ」とも。
これって、かなり希望の持てる話です。
もちろん、治療が終わった後の方が大事なので、引き続き頑張る所存ではあります。
それから、うれしいことがもうひとつ。
病院の帰り道、旦那から電話がありました。
今年の秋くらいに、あの安保徹氏と仕事ができるというのです。
「交感神経優位の時は白血球の中の顆粒球が活発になり、副交感神経優位の時は同じ白血球でもリンパ球が活発になる」ということを発見された免疫学のスペシャリストであります。
「会いたい人ベスト10」に入っていました。
でも、とても有名で多忙な方なので、気軽に会えるような人ではないことは、わかっていました。まあ、講演会にでも行けば、半径100メートル以内くらいでは会えるかもしれないような人ですが。
50センチ以内で会えるなんて!
抱きついてしまうかもしれません・・・
「人と人は、出会うべき時に、ちゃんと出会えるようになっていますよ」
福岡の師匠の言葉です。
つまり、今年の秋までは生きておかねば!!
ひきつづき、頑張ります。