はなちゃんのみそ汁 番外篇

亡き妻のブログ「早寝早起き玄米生活」アーカイブから

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歌うことは生きること

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娘の度胸は母の遺伝

昨年11月、娘と沖縄県宮古島に行った。

目的は、島のライブハウス「GOOD LUCK」で開かれたコンサート。

ここで、娘は予定してなかった出演のチャンスをいただいた。

ライブハウスの計らいで、娘は、ウルフルケイスケさんのギター演奏で即興ダンスを披露することになったのだ。

普段はジャズダンスとヒップホップを練習しているが、この日は一度も経験のないロックダンス。リハーサルでは、ケイスケさんが「こんな感じでいい?」と娘に曲を確認。演奏に合わせることなく、軽く打ち合わせをした程度だった。

 

迎えた本番。

「福岡から来たダンサーを紹介します! はなちゃーん!!」

ケイスケさんからステージに招かれた娘は、顔色ひとつ変えずに初めてのロックダンスを披露した。

 

そう言えば、千恵も飛び入りでライブに出演することが多かった。

福津市のライブハウスでは、ジャズバンドのライブでピアノを演奏し、会場を沸かせた。

バンドメンバーと出会ったのは、この日が初めて。しかも、千恵の専門はクラシック。ジャズは門外漢だったはずだ。

ところが、ライブは大盛り上がり。一体感のある演奏だったため、舞台を降りた千恵に「知っている曲?」と尋ねてみた。

千恵は「全部知らない曲だったけど、音を聴きながら合わせた」と答えた。

 

即興のパフォーマンスは日頃の努力と才能が必要だが、度胸も大事。

娘の度胸は、母親の遺伝に違いない。

 

ウルフルケイスケさんと娘(2021年11月、宮古島のGOOD LUCK)

即興でダンスを披露する娘

「『福岡のダンサー』とケイスケさんに紹介されたのがうれしかった」と娘

 

以下、千恵のブログ。彼女にとって、「歌うことは生きること」だった。

 

歌いました(2007年4月1日)

 

今日、何かに導かれるように春日(かすが)助産院に行ってきました。

 

産気づいたわけではありません。

 

先月、春日助産院の大牟田智子先生から、コンサートの案内状を頂いていました。

治療中なので、様子をみながら参加できるかを考えていましたが、体調も良いことだし、行くことにしました。

いつか行ってみたいと思っていた場所でしたので。

思いきって出かけて正解でした。助産院のお話は、また後日。

 

今日は素晴らしいコンサートのお話。 

題して、「Spring 絆 コンサートin 春日助産院」 。

 

チェリスト 有泉芳史(ありいずみ よしふみ)

ピアニスト 花崎望(はなさき のぞみ)

お二人によるジョイントコンサートでした。

 

雰囲気の良い助産院の1階で、ピアノとチェロの重厚な音色が響きあい。

間近で聴いたので、心の底から癒されました。

 

プログラムは、サン・サーンスの白鳥 

モルダウ

バッハ G線上のアリア

ピアソラ リベルタンゴ

エルガー 愛の挨拶

フォレ 夢のあとに

シューマン アダージョアレグロ

ジブリ作品の数々など。

 

2時間近くのコンサートになりました。

たくさんの子どもたちも、お二人と一緒に音楽を味わいました。

心温まるコンサートでした。

 

そしてなんと!!

 

私も、つい、歌ってきてしまいました。

1年ぶりに人前で歌いました。

両肺に腫瘍があるからか、歌を歌うことができなくなってしまい。

ここ1年ほど歌から遠ざかっていました。

リハビリはしていましたが、高音はかすむし、低音もかすれる。

発声さえできない状態でした。

まだ数年はお休みしなければいけないと思っていたところ。

大牟田先生の計らい? 陰謀? により、コンサートの中盤での朗読を頼まれました。

その後で、なぜか「千の風になって」を歌うことに。

話題の歌なので、さびの部分だけは聴いたことがありますが、全部聴くのも歌うのも初めてです。 

もちろん、合わせは1回のみ。

朗読も楽譜もその場でコピーしてもらい、臨みました。

 

私の座右の銘は、

 

「なんとかなる」

 

なんとかなった、かな?

歌うきっかけをつくってくれた智子先生と、有泉さんと花崎さんと、初めて歌う歌を恥じらいもなく人前で歌った私に、温かい拍手をくださったお客様たちに、心より感謝の気持ちでいっぱいです。

 

また、がんばろうと思った次第です。

写真は、コンサート開始前に、チェロを横にしてくつろぐ有泉さん。

春日助産院であったコンサート。手前右は娘の後ろ姿(2007年4月)