太陽の恵み
わが家には、大小の竹ざる(干しざる)がいくつもある。
闘病中の千恵が、干し野菜や梅干しを作るために使っていたのものだ。
千恵は、天気の良い日は、切った野菜を竹ざるに並べ、バルコニーに干した。
太陽の恵みで、食材の栄養価がパワーアップする。
出来た乾物で、家族の料理をこしらえた。
結婚前、24歳だった彼女が、僕に初めて作った料理がスパゲティミートソース。
あれは、間違いなくレトルトだった。
がん闘病の過程で、千恵は変わった。
その過程で得た大切なものを家族に遺した。
妻の竹ざるは今、娘が受け継いでいる。
本日紹介する千恵のブログのタイトルは「小春日和」。
「小春日和」の本来の意味は、晩秋から初冬のころの穏やかな天気のこと。
桜が咲く季節に使う言葉ではありません。
春のように温暖な様子を「小春」と言い、「日和」には「天候」「空模様」や「晴天」といった意味があります。
「春」が使われているため、間違いやすい言葉。
日本語は、味わい深く、難しい。
以下、使い方を間違っておりますが、ご勘弁を。
小春日和(2007年4月7日)
咲いているところと、散っているところの差が激しいですね。
でも、何度見ても飽きない花です。
家でできた干し大根。
時期にもよりますが、2週間近くでできあがります。
小春日和です。
天気が良い日は、洗濯物や布団以外にも、何でも干したくなってうずうずします。
冬は、料理前に刻んだ食材を竹ざるにのせ、2時間ほど干すだけで、味のしみこみも良くなるし、甘みも増します。
花レシピ:レンコン、ダイコン、ニンジン、ゴボウなどを乱切りにし、ザルに広げて干します。干した後に、自分の好きなドレッシングかマリネ液(醤油、好きなオイル、すりごま、柑橘類か酢)に漬け、片栗粉をまぶして揚げるだけ。やめられない止まらないおいしさです。
というわけで、
わが家のベランダには、季節によって、さまざまな物が干してあります。
今だと、ヨモギとかダイコンの葉っぱとか。
初夏は梅実。
夏はトマトやナス。
秋冬は根菜類。
そして、干した後はもちろん、お料理。
シイタケは、干すことによってビタミンDやEの含有量が増加。
太陽にあたることで、食材の酵素がよく働き、タンパク質はアミノ酸に、デンプンは糖に分解されます。
これが、うまみや甘みの元になるのです。
栄養面でも食材がより生かされます。
日本人が、昔から食品の保存のために生み出してきた食材の生かし方ですね。
味がぐっと深くなるので、余計な調味料もいりません。
新ジャガとシイタケの煮物は、ちょっとの醤油で十分です。
夫はこれに、バターをちょっぴり落として食べていました。
バターと醤油。黄金の組み合わせですよね。
太陽のめぐみに、日々感謝。
でも、これからの季節は、うっかり帽子なしで外に出ると大変なことになります。