義父から学んだ自然体
何があっても悲観せず、楽観せず、現実を冷静に受け止める。なかなか難しいことだが、日々、自然体でいることを心掛けようと思っている。手本としているのが、亡き妻千恵の父、松永和則(享年56)である。
18年前に亡くなった義父は、聖書の言葉が日常会話に出てくるほど敬虔なクリスチャンだった。がん再発のリスクを伴う出産を迷う千恵に「死ぬ気で産め」と助言するなど、多少のことでは動じない人だった。
2000年夏、千恵は乳がんと診断された。
医師から告知された直後、僕は彼女にどう声を掛けていいのか分からなかった。
だが、義父は違った。千恵の目をまっすぐに見つめて、こう言った。
「がんになったことは仕方がない。過去を悔やむな。未来を思い煩うな」
その夜、千恵は教会へと向かった。
祭壇の前でひざまずき、祈りを捧げた。
動揺はみじんも感じさせなかった。
自分に降りかかってきた困難にあらがわず、自然体を貫く。
その姿勢は父親譲りであり、カトリックに学んであろうことが容易に想像できた。
義父は、穏やかな波が静かに打ち寄せる大村湾が好きだった。
ひとりでボートに乗り、釣りを楽しんでいたそうだ。
以下、千恵の過去ブログ。
いざ海へ(2007年8月13日)
海と言っても、海水浴ではありません。
小学5年生の時に、海水浴ではしゃいでいたら、全身くらげに刺されて、それ以来私は海恐怖症になり、海水浴は行ったことがありません。
浜辺を歩いたり、海を見るのは好きですけどね。
下取りができなくなったこの体で、ビキニを着ることもなく。
でも、2年前に友人から沖縄の海に連れて行ってもらい、まったくベタベタしない海水と透き通った水の中に泳ぐ美しい魚を見て感激し、ちょっと海恐怖症から解放されたところです。
これから、3年前に亡くなった父の遺言にしたがって、父が好きだった大村湾に遺骨を撒きに行ってきまーす。
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