娘、過呼吸で倒れる
「みそ汁が歩きよる」
中学時代、こんな言葉を浴びせられ、部活では、いつも1人で弁当を食べた。
机の中には「死ね」と書かれたメモ紙。
娘は、そのことを隠していたが、12歳の心身は耐えきれなくなっていた。
ある朝、登校中に校門の前で過呼吸を起こして倒れた。
保健室に駆けつけた僕に「ごめんなさい。パパに心配をかけたくなかった」と告白した。
昨夜、新聞社の元同僚と久しぶりに飲んだ。
時間を忘れてしまうほどの心地よい時間だった。
夜遅く帰宅したら、娘が通う中村学園大から郵便物が届いていた。
封筒の中にあったのは、広報誌「CELERY(NO.124)」。
14ページの「ナカムラのひと」に娘が紹介されていた。
最近、娘は「大学が楽しい」「勉強がおもしろい」と話す。
大学の親しい友人たちが、わが家を訪れる。
僕は手料理を振る舞う。
彼女たちは、僕を「はなパパ」と呼んで、懐いてくれている。
どの子も、やさしくて、心が穏やか。
娘は「中村の風土が自分に合っていたんだと思う。入学できて、本当によかった」と、しみじみつぶやく。
「学校なんて大嫌い」と言っていた娘だったが、学校が大好きになった。
人が幸せかどうかは、大切な人が幸せかどうかが、とても重要だと思う。
Your happiness is my happiness.
はなが笑顔でいてくれたら、パパの人生は、それだけで十分です。