初めて歩いた日
ウェイクボード合宿2日目。
娘も大学の友人2人を連れて、芦屋ヨットハーバーに合流した。
波は穏やか。気温も30度を超え、絶好のコンディションだ。
僕が滑った後、娘が海に入った。
プレジャーボートが動き出した。
ロープが、ぴんっと張った瞬間に顔から水面に転倒。
転んで、転んで。
ボードが水面に浮かんでこない。
「あんなにつらそうな、はなの顔見たことない」
娘の友人たちが心配そうに見つめる。
海水を飲み、咳込む。
娘の表情から完全に笑顔が消えた。
「第2ラウンドもあるよ。ちょっと休もうか」と声をかけてみた。
だが、あきらめない姿勢は母親譲り。
娘は首を横に振った。
「はなちゃん、ノリノリでいこうや〜」
プレジャーボートを運転する堀田顕英さんが気分を変えてくれた。
迎えた5回目。
ボードが少し浮かび上がった。
「いける、いける!」
友人たちが、場を盛り上げてくれる。
6回目。一瞬、水面に立った。
7回目は、よろめきながら、3秒間滑った。
感触をつかんだのだろう。
8回目は10秒間。
もう、立つことはできる。
笑顔が戻った。
10回目は、1分以上滑った。急カーブも回り切った。
僕は一眼カメラを手に「すごい!すごい!」と叫びながら、涙ぐんでいた。
娘が赤ん坊だったころのことを思い出した。
よろめきながら、初めて歩いた日。
千恵と手を取り合って喜んだ。
あの日も僕はカメラを手に「すごい!すごい!」と叫んでいた。
10回目のトライはこちらの動画。
おまけ
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