はなちゃんのみそ汁 番外篇

亡き妻のブログ「早寝早起き玄米生活」アーカイブから

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お手本のような自主上映会

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“調味料”は「まな板」

台風14号が福岡上空を通過した9月19日の朝食。

僕は、どうしても、娘に「塩むすび」を食べさせたくなった。

いつもは、ご飯を塩で握り、その中に梅干しを入れたり、海苔を巻いたりするが、

今朝のおむすびの味付けはシンプルに2種類だけ。

ひとつは塩。

そして、もうひとつの“調味料”は「まな板」である。

塩むすび(2022年9月19日)

まな板の素材は五葉松。

このまな板を器に使うと、塩むすびを食べながら、五葉松のなんとも言えない良い香りを楽しむことができる。娘は、「すごくいい香り。おかずは何もいらないね」と満足してくれた。

 

この食べ方を知ったのは2日前だ。

友人たちが主催した映画「弁当の日」の上映後に初めて体験した。

会場は、主催者の1人である細井護さんが運営する「みんなの木工房 テノ森」(福岡県福津市津屋崎)。

 

www.tenomori.jp

暮らしびと 細井護

 

羽釜でご飯を炊き、塩のみで握る。

まな板を器代わりに自分で作った塩むすびを食べながら、映画をみんなで振り返る。

彫刻家の細井さんと食のワークショップをライフワークとする主婦中島美香さん、「津屋崎ブランチ」の山口覚さんが仲間たちと立ち上げ、運営している「まち家族」のメンバーが、それぞれの得意技を掛け合わせることで生まれた「おむすびワークショップ」である。

 

津屋崎ブランチ | 「本当の暮らし・働き方・つながり」を実現する、進化する地域おこしプロジェクト

machikazoku.net

kurashinotabi.jp

 

「食事は家族に作ってもらっている」という男性は「生まれて初めて、おむすびを自分の手で握り、弁当の日の意味をより深く理解することができた」。大学生は、「『食』は栄養が重要視されがちだが、それだけではなかった。作り手の『あなたが大切』というメッセージが込めれていることに気づかせてもらった」と感想を語ってくれた。

 

いつも、映画「弁当の日」の舞台挨拶では「見て終わるのではなく、日常での実践を」と呼びかけている。そんな僕が、居ても立っても居られなくなった。娘を喜ばせたくて、自宅に帰って、塩むすびを作った。つまり、映画の製作者が、その映画を上映してくれた主催者の思惑通りに行動したわけである。

「テノ森」での取り組みは、お手本のような自主上映会だったと思う。

 

市中にある大きな映画館では体験できない満足感を味わえるワークショップ付きの上映会。

大掛かりではなく、ささやかでもいい。映画「弁当の日」の自主上映会を計画している人たちには、ぜひとも、この“津屋崎方式”を参考にしてもらえたらと思う。

 

羽釜で炊いたご飯を天地返しする中島さん(2022年9月17日)

参加者が握った「塩むすび」(2022年9月17日)

まな板の表面を削る細井さん(2022年9月17日)

2日目(9/18)のワークショップは「弁当の日を見て、弁当箱を自分で作る」。

こんな企画、楽しくないはずはない。※こちらは、後日ブログで紹介。

大人が楽しめば、子どもも楽しい。

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2年前も、同じメンバーが「テノ森」で自主上映会を開いてくれた。

「テノ森」の入り口に掲示されたポスター(2020年11月3日)

正座して映画を見る地元の小学生。今回は弁当持参で参加していた(2020年11月3日)

 

 

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