娘の手作り「はなちゃんのみそ」
娘が仕込んだみそを商品化することにした。
「はなちゃんのみそ」。
店主の鈴木徳則さんとは、妻の千恵が生きていたときからの付き合いだ。
低温熟成。大豆、米、塩などの素材を厳選し、添加物は未使用。
本来の作り方で時間をかけて作っているから、出汁をとらなくてもうまい(出汁をとれば、もっとうまい)。
「はなちゃんのみそ汁 青春篇」出版記念パーティーでは、試作品を参加者に配布した。
ラベルのイラストは、旧知の仲である漫画家の魚戸おさむさんが提供。
「売ってほしい」と、すこぶる評判が良かった。
2020年春、僕は長年勤めた新聞社を辞めた。
だが、とたんに新型コロナウイルスの感染が広がり、娘と2人で家にこもる生活になった。
フリーの映画監督になろうと会社を辞めたが、すぐに仕事はなく、家計は苦しかった。
そこで、千恵の教えが生きた。
千恵が乳がんになった後、わが家は質素でぜいたくをしない食生活の知恵を身につけていた。
コロナ禍も、200円程度の食費で1食分をつくって、娘と喜び合った。
みそ汁には、ごぼう、カボチャ、大根、豚肉などをたっぷり入れた。
「苦しいときこそ、ご飯とみそ汁」
ご飯とみそ汁さえあれば、どんな苦境も乗り越えることができる。
「はなちゃんのみそ」が、その一助になればと思う。
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