始動の秋、栗の渋皮煮をつまみながら
久しぶりに、対面で語り続けた1日だった。
昼過ぎ、福岡県内の中学校で講演をした。対象は、中学2年の生徒たち。全国の小中学校で広がる食育活動「弁当の日」の取り組みを紹介しながら、妻亡き後、娘と暮らした14年間を振り返った。
夜は、古くから付き合いのある男性と食事をした。
その男性は、僕が崖っぷちに立たされていた20代の頃、助けてくれた「恩人」でもある。
彼との食事に選んだ店は、福岡市中央区渡辺通の鉄板焼き「童童(わらべ)」。
10数年ぶりに会った彼は、イベント会社の社長になっていた。
今は、誰もが知る福岡の劇場で、話題のミュージカルや音楽イベントを手がけている。
男性は、北九州市出身でロック好き。
芋焼酎を何杯もお代わりしながら、ARB、THE MODS、ヒートウェイヴ、シーナ&ロケッツなど博多にゆかりのあるロックバンドの話題で盛り上がっていると、店の大将遠藤さんが、ルースターズの曲をかけてくれた。
深夜、自宅に戻り、パソコンを立ち上げた。
その日に講演した中学校の家庭科教師からメールが届いていた。
こんばんは。
きょうはありがとうございました。
生徒の感想を読んで(まだ、途中)。
涙なみだです。
安武さんのおかげで生徒たち、たくさんの思いをもったようです。
もちろん教師も。
その感動を伝えたくて取り急ぎメールしました。
この感想は、担任がじっくり読んで、気持ちを共有して、大人もこどもも「弁当の日」に(担任は生徒に!)向き合わないかん!と思いました。
学力も大事だけど、心が育てば、なんとかなるって思うこのごろ。
それが一番むずかしいですね。
夜遅くすみませんでした。
あ、今日は、おともだちと美味しいお酒でしたね!
失礼しました。
その教師からおみやげにもらった栗の渋皮煮をつまみながら、もう一杯焼酎を飲んだ。
恩人の活躍に刺激を受け、教師からの熱い思いを受け取った2022年9月30日。
“冬眠生活”も2年が過ぎた。
ぼちぼち、動き出そうと思う。