博多のソウルフード
博多駅に娘と買い物に行った。
ランチは、あの店に決めていた。
予備校生時代(水城学園)、僕の胃袋を満たしてくれた「ふきや」。
名物のお好み焼きは分厚く、表面はカリッカリ。
自家製マヨネーズでいただく博多のソウルフードでもある。
今は、博多バスターミナルの8階にあるが、予備校生のころは、ダイエーショッパーズ福岡店(福岡市中央区天神)の8階にあった。
肉玉が350円の時代。パチンコばっかりやってて金欠だった。
予備校の友人たちが肉玉やミックスを注文する中、僕が野菜焼きを頼むと、大将がこっそりと卵を追加で入れてくれた。
あれから40年。
創業者の大将は亡くなったが、味は変わらぬままだ。
「ふきや博多店」は正午前から列ができていた。
15分ほど待って店内に入ると、従業員は若い店員とベテラン風の店員だけ。
カウンター10人、テーブル席18人の店をたった2人で回していた。
僕は「肉玉」、娘は「もちチーズ玉」を注文。
お好み焼きが運ばれてくるまで、娘は若い店員の動きをじっと見つめていた。
客を店内に案内し、注文を受け、お好み焼きを焼き始める。
焼いている間に、レジで会計、厨房に戻る途中でテーブル席の皿を片付ける。
若い店員の一連の動きに「動きに無駄がない」「先を考えながら動いている」「すごい」を連発していた。娘は飲食店でアルバイトをしているから気づくのだろう。
食事を終えると、娘は財布から小銭を出し始めた。
「店が忙しいときほど、レジで釣り銭がないように支払うと店員はうれしいんだよね」
学校の勉強や学歴だけが、すべてではない。
人の気持ちが分かる想像力豊かな大人になってほしい。
そんな思いで、子育てをしてきただけに、娘のひと言がうれしかった。
まもなく20歳になる娘。
もうちょっとだ。がんばろう。
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