「ママが、かわいそうすぎるやん」
娘が小学5年生の頃だった。
車の後部座席に置いていた本『はなちゃんのみそ汁』を手にする娘の姿が運転席のミラーに映った。出版からすでに1年半が経っていた。
しばらくして、娘は「やっぱり、無理」と言って、本を閉じた。
生き続けることを切望した母の気持ちを初めて知ったからだった。
「ママ、なんもできとらんやん。卒園式も、入学式も・・・。楽しみにしていたのに・・・。ママが・・・かわいそうすぎるやん」
そこには、千恵が亡くなる5カ月前、ブログにつづった一節が記されていた。
“戦闘服”でいざ出陣(2008年2月22日)
みなさま、ムスメの誕生日に際しましては、私たち夫婦のアホなやり取りにもかかわらず、温かなコメントをありがとうございました。
こんなにも愛されて、ムスメは幸せ者です。
本当に、命懸けで産んでよかったとあらためて感じております。
今は、私が、ムスメから寿命を延ばしてもらっています。
ムスメの卒園式まで。
ムスメの卒業式まで。
ムスメの成人式まで。
ムスメの結婚式まで。
ムスメのこどもが産まれてくるまで。
できる限り延ばしたいものです。
ムスメが結婚式しなかったら?
それはそれー
天から私たちのところにやってきてくれた宝物だから。
十数年後にきちんと社会にお返しできるようにこころをこめて育てなければ、とあらためて思った次第です。
勉強もスポーツも何もできなくてもいいです。
人様にご迷惑をかけることなく、元気で幸せに生きていてくれたら、それで満足です。
5歳になったから、一昨日から、朝ご飯の支度はムスメに任せることにしました(ヘルプはしますが)。
見ていたら、包丁使いがかなり怖いのですが・・。
声と手を出したいところをぐっと我慢。
いつかその写真もアップしますね。
今日の写真は、私の“戦闘服”。
ムスメは、「シンデレラだあぁぁぁぁ」とおおはしゃぎ。
裾をつかんで一緒に舞台に見送ると言って、わぁわぁ喜んどりました。
そぉねそぉね、楽しかったの?
よかったねぇー。
本番前の私は、それどころじゃなかったんですけどね・・
髪の毛もずいぶん伸びてきました。
治療中の皆様。終わったら、必ず生えてきますから。
希望を持っていきましょう。
そのご報告も兼ねまして。
そんな日々にも、感謝。
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