食育活動の担い手に
10年ほど前、僕が福津市津屋崎で主催していた「海のイスキア」。
死別の悲しみを抱えた人たちが集う癒しの場だ。※現在は活動休止中。
そこに、夫をがんで亡くした女性が訪れた。
今も付き合いが続く大分県の元小学校教諭のNさん。
Nさんは、2年前、僕が製作に携わったドキュメンタリー映画「弁当の日」の試写会に参加し「定年後、私の目指す方向が定まりました」と言ってくれた。
今は、「子どもが作る弁当の日」の活動を全国に広げる担い手のひとりである。
先日、Nさんは、仲間たち6人と実行委員会をつくり、大分県で自主上映会を主催した。
会場に集まった市民は、約200人だった。集客に苦労されているのではないかと心配していたのだが、予想を超える来場者の多さに驚いた。
メンバー6人の大半が教育関係者。みんなで手分けし、恩師や教え子、知人らに500円のチケットを販売したそうだ。
上映会は、統一地方選挙の投票日の前日だった。
「媒体を通しての告知だけではなく、見てほしい人のところに出向き、顔を合わせて映画の内容を説明することが大事。選挙運動と同じだね」と笑い合った。
後日、Nさんからメールが届いた。
「おかげさまで大成功、大好評でした。今、みなさんの感想を読みながら、本当にやって良かったと感じています」
「海のイスキア」に参加したときは「ひとりで飲むお酒は寂しい。夫を亡くし、生きる意味がわからなくなった」と語っていたNさん。
実行委員会の打ち上げが、どんな雰囲気だったかを尋ねると「久しぶりに楽しくお酒が飲めました」と、即座に返信があった。文面から、生きる幸せが伝わってきた。
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