天国の妻から娘に
急がなくていい。
あわてんでいい。
昨日、いっぱい、いっぱいな娘に、ちょうど、そんな話をしたところだった。
絶妙のタイミングで、良い本を紹介してくれた。
さすが、千恵さん。
わたしたちは、何を急いで生きているんだろう(2008年4月30日)
ここのところ、佐賀にお邪魔すること多し。
何をするでもなく、人ん家の庭の縁側でごろんと横になったり。
人の家の庭の大きな岩の上でごろんと横になったり。
木に寄りかかって目を閉じたり。
森の中でマイナスイオン浴びたり。
佐賀には、素敵な人々が、自分らしく生き生きと生きている。
そんな佐賀と福岡を結ぶ三瀬ループ橋が、今秋完成する。
それはそれは立派な橋だ。
これで、福岡佐賀間が、15分短縮されるらしい。
・・・
15分。
たかが15分、されど15分。
人間には、急がなければいけないときも確かにある。
でも・・・
ループ橋の下の道には、緑がいっぱいあるのに。
いままで、その緑を楽しみながら山まで行くのがよかったのに。
ループ橋の総工費はうん十億円とかなんとか。
そのお金、他にもいっぱい使い道ありそう。
そんなニュースを耳に入れるたんびに、
私たちは、何をそんなに急いで生きているんだろうなあ、と思うようになった。
これを読んでから、特にそう思うんだ。
こんなに近くにあったのに、
10数年間、ほとんど開かれることなく本棚にたたずんでいたのだ。
父からこの本をもらったときに、ちらっと読んだだけだった。
正直、その時は、ちっともわからなかった。
でも、今ならよくわかるんだ。
父と話したくなった。
まあ、今、父と話すとなると、あの世まで行かなくちゃなんないから、
できれば、この世でこれからの世の中のできごとの成り行きをもう少し見届けたいもの。
私の父さんは、何の勲章も賞もない人だった。
でも、私にとっては偉大。
父を超える人になるのは、私が56歳まで生きること。
56歳を超えたら、わたしは、どんな思いでこの本をもう一度読んでいるのかな。
お父さん、やっぱり、
「ゆっくり」でいいんだねえ。