着物に込めたメッセージ
福岡県宮若市の実家は、写真館と貸衣装屋を営んでいた。
貸衣装は30年ほど前に廃業したが、両親が孫たちのために保存状態の良い着物を残してくれていた。
昨年、成人式を1年後に控えた娘が、本番に備えて好みの振り袖を試着。
デザインが古いので、母は「はなが着てくれるだろうか」と心配していたが、娘は現代の着物とは違う色合い、風合いを気に入ってくれた。
今年1月9日に迎える成人式。娘は昨年選んだ振り袖を着るつもりだった。
ところが、大晦日に帰省すると、娘の好みを熟知している母が別の振り袖を用意してくれていた。
柄は鶴。おめでたい席には欠かせない吉祥文様だった。
大晦日のサプライズに、娘は「ばあば、やるね〜」と大喜び。
鶴には、おめでたい意味が3つある。
ひとつは、長寿の象徴。2つめは、鳴き声が高く、非常によく通ることから「天と地をつなぐ存在」。3つ目は「夫婦円満」。鶴はつがいになると生涯相手を変えないといわれている。
実はこの着物。パパのいとこが若いころ着た振り袖。
着物は大切にメンテナンスすれば、何十年と着続けることができる。
「一度着たらおしまい」ではもったいない。
「物を大切にする」という日本の文化を見直し、成人式では、はなちゃんらしく古典柄を着こなしてくださいね。
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