はなちゃんのみそ汁 番外篇

亡き妻のブログ「早寝早起き玄米生活」アーカイブから

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暮らし

カツラを外す勇気と決断力

「ベリーショートもいけるやろ」 カツラは着け始めるときに勇気と決断力を必要とする。 しかし、それ以上に外すときの方が勇気と決断力が必要とされる。 千恵は潔かった。 「私、ベリーショートも結構いけるやろ」 2007年夏、そう言って、カツラをやめた。 …

その命、いらないのなら私にください

妻のつぶやき 人を殺めて、罪を償うことなく、自分の命を自ら絶つ。 そのような自殺報道に直面したときの千恵のつぶやき。 覚悟を決めているかのように、僕には聞こえた。 「その命、いらないのなら私にください」 千恵の通夜。展示された母娘の写真(2008年…

死んどるばってん、生きとるごたる

「ナマケモノ」かもしれないが「怠け者」ではない 妻は自分のことを動物の「ナマケモノ」に例えていた。 下関市立安岡中学校で「命と食」をテーマに講演(2018年12月6日) でも、この世に体がなくなった今も、まだ、働いている。 死んどるばってん、生きとる…

「もし、ママが私を産まなかったら・・・」

妻がこの世にいた証し 2015年8月31日の夜。 中学1年の娘が千恵の遺影を見ながら、つぶやいた。 「ママはどうして、私を産んだのかなあ。もし、私を産まなかったら、今も生きていたかもしれないよね」 千恵が娘をどれだけ愛し、生まれてきてくれたことに感謝…

サンタさんへの手紙

19歳のクリスマス クリスマスが近づいてきた。 わが家では、1カ月前までにサンタさんへの手紙を書かないとプレゼントは届かない。 今朝、起きてきた娘に「手紙は書かなくていいの?」と聞いてみた。 「うん。いいよ」 今年は、書かないつもりらしい。 娘は19…

そろそろ、よかかなあ

最近、思うこと じいさんになっても、恋はしたい。 したっていいよね。 人間だもの。 そんなふうに思うようになったのは、大学生になった娘のひと言がきっかけだった。 「パパも、彼女つくったらどう?」 おーい。 そろそろ、よかかなあ。 はなと千恵 相手は…

くるくるヘア

育毛剤の効果 髪がずいぶん細くなってきたので、昨年から育毛剤を試している。 娘から「パパ、後頭部の毛が増えてきたね」と言われた。 増えてきたのではない。 太くなってきたのだ。 もうしばらく使ってみようと思う。 昨年の「父の日」はくるくるだった(2…

その気持ちに感謝状

微妙に短いマフラー 短いマフラーだったけど。 うれしかった。 うまい、へたではない。 その気持ちに感謝状。 千恵が編んでくれたマフラー。ちょっと短かった(2022年11月21日)撮影:安武はな 大切に使います。 恐怖の手仕事 〜その後〜(2007年11月20日) …

千恵が遺した未完成の編み物

クリスマスカードに感謝の言葉 埃まみれになりながら、泣いたり笑ったりしていた。 2021年4月、長い間、手をつけることができなかった亡き妻、千恵の遺品を整理した。 さながら、“タイムカプセル”を開いているようだった。 寝室のクローゼットからは、僕たち…

手帳に記された家族の記念日

千恵はまだ生きるつもりだった 2021年4月13日。十三回忌を終えた翌年の春だった。 足の踏み場もないほど散らかったクローゼットの中を片付けていると、山積みになった服の下からエコバックが出てきた。 エコバックを開けた。 目に飛び込んできたのは、オレン…

喜びも悲しみも分かち合える

12月9日はブログ記念日 千恵は毎日ブログを書き続けた。 ブログを通じて、全国に仲間ができた。 喜びは仲間と分かち合うことで倍になり、悲しみは仲間と分かち合うことで半分になった。 来月9日は、千恵がブログを開設して16周年。 あの日、「続けてよかった…

待ち望んでいた日がやってくる

助手席でビールが飲める ついに、この日が訪れた。 妻千恵が他界し14年。 僕は待ち続けた。 今朝、「頑張ってくるね」と言って、娘は出かけた。 自動車運転免許の試験日なのだ。 もうすぐ、車の助手席でビールが飲める。 実家で飲んでも、運転手がいるから大…

娘のソウルメイト

徹夜で作った銀の指輪 僕が杉森映徳を取材したのは、宗像支局に勤務していた頃だ。 ※アーティストネーム:すぎもりえいとく 1998年だっただろうか。 彼は、福岡教育大の大学院生だった。 食肉センターで手に入れた牛の首を鍋で煮る路上パフォーマンス。 その…

いらんことを言う癖

ダイアモンド婚式 娘と芝居を見に行った。 30年前に見た芝居と同じ演目。 開演前、「あそこに置いてある小道具が最後の場面で・・・」 と舞台を指差し言いかけた僕に、娘は「それ以上、言わんで!!」。 そりゃ、そうだな。ネタばらしはいかん。 僕の性格は…

心優しい大学生の姪、縁ある保育園に

ふうかからのLINE 姪っ子のふうかからLINEでメッセージが届いた。 ふうかは僕の弟の長女。 メッセージには「会いたいなあ〜」と書いてあった。 はなの都合を聞いて、月末に会うことにした。 2008年夏。 妻の初七日法要を終えた頃、ふうかと妹のゆめかが、わ…

「こげなもん、食えるか」

無農薬に込めた思い 今年も新米がおいしい季節になった。 わが家の朝は、無農薬栽培の玄米を炊く。 口に含むと、もぞもぞするような感触があった。 米に交じったもみ殻だった。 それを見て、無農薬栽培にこだわり続けたある農家を思い出した。 15年前、千恵…

妻のブログに胸騒ぎ

治療経過は順調だったが・・・ 娘との日常を切り取った妻のブログ。 かわいいなあ、幸せだなあ、と読み進めていたところ、 最後に、気になることが書かれてあった。 日ごろは、彼女が決して口に出さないような内容。 多分、僕しか気づかないこと。 千恵は抗…

はなは、千恵。千恵は、はな。

子育ては、親育ち 道に迷ったときは、はなの心の声に耳を澄まし、その声に従うようにしてきた。 そのときどきの選択は、今思えば、間違ってなかったように思う。 たぶん、はなの声は、千恵の声だから。 いろいろあったけど、今があるのは、はなのおかげだ。 …

勇気と笑いの花束を

ミッちゃんにやっと会えた日 どんだけ、清水ミチコさんが好いとーとやって言うぐらい、 千恵はミッちゃんが好きだった。 そして、とうとう、ミッちゃんに会う日が訪れた。 2019年12月28日、熊本城ホールで開催した「いのちのうた」(こくみん共済coop主催)…

一杯のコーヒーで「飲酒運転ゼロ」を後押し

講演回数は1220回 わが子の命を奪った飲酒運転が社会から亡くなるのを目指し、地道に「ゼロ」を呼びかける女性がいる。 NPO法人「はぁとスペース」(福岡市東区)の代表を務める山本美也子さん。 僕と娘は、実家の宮若市に帰省する途中に時々、寄らせてもら…

元気が出る贈り物

「絶対、全部食べようね」 千恵が他界した後、わが家には、数えきれないほどの贈り物が届いた。 どれも感激したが、特に印象に残っているものがある。 それは、「愛媛のおばあちゃん」を名乗る見ず知らずの女性からだった。 段ボール箱の中には、たくさんの…

嫌なことを忘れさせてくれる親友

はなとまゆ 「嫌なことも、悲しいこともまゆに会ったら全部忘れる」 まゆちゃんは、はなの親友。 中学1年の春、彼女は広島に引っ越した。 以来、年に一度、泊まりがけで、はなに会いに来てくれる。 中学1年のまゆちゃん(右)。今は大阪在住の大学生(2015年…

親子でほめ合う朝の食卓

プレザーブスタイルのジャム 娘がブルーベリージャムを作ってくれた。 「それなら、明日の朝食はパンがいいね」 僕は、野菜やチーズ、粗挽きソーセージなどを用意して、 昨晩から今日の朝食を楽しみにしていた。 2022年10月21日 パンはいつもより厚く切った…

25年前にタイムスリップした夜

奇跡のような再会 天国の千恵が企画したのだろうか。 とても、不思議で愉快な夜だった。 昨日、大切な友人が、6年ぶりに訪ねて来てくれた。 韓国人のヨム・ウンジュさん。 今は、カナダ・バンクーバーに移住している。 25年前、福岡教育大に留学中だった彼女…

東京でバズる

シリーズ累計100万部を突破 イケイケだったあの頃。 書籍編集者として、東京には何度も上京した。 ジュンク堂書店新宿店の書籍売り場(2007年10月12日) 後に、シリーズ累計100万部を突破した「食卓の向こう側」。 全国の新聞社でつくる出版協議会から講演を…

心が大人になる前に

「目撃者 f」動画配信スタート 昨年の「いのちのうた」で歌った『パパのうた』。 大人への階段を駆け上がる娘、脱サラで新しいステージに足を踏み入れた父。 僕たち父子家庭の「これまで」を歌ったような曲だった。 作詞・作曲は、友人のコヤナギシンジさん…

「喪失」と「悲嘆」を語り合う

吉田さんのおむすび ある出版社の企画で「喪失」と「悲嘆」を語り合う対談に参加した。 お相手は、故・佐藤初女さんの「森のイスキア」の活動を福岡で受け継いでいる吉田俊雄さんと紀美子さん。ご夫妻は、大学生だった次男を亡くされている。 「家庭を顧みな…

みなさんの人生に、幸あれ

助けられているのは僕たち家族です 千恵が亡くなった後、本を書いた。 それがドラマになり、映画化もされた。 全国の人たちから励ましの手紙やメールをいただいた。 千恵が遺した音楽イベント「いのちのうた」は毎年、続けている。 講演会場では、娘を抱きし…

心に残る「父の手料理」

ローストビーフとハヤの甘露煮 亡き妻千恵の両親は、長崎県大村市で精肉業と焼肉店を営んでいた。 義父が、牛肉の塊にじっくりと火を通したローストビーフは絶品だった。 僕の父も凝った料理が得意だった。 毎年夏は、はなを連れて山口県の川に出かけた。 そ…

妻に見せたい、19歳の娘

「ああ、これが親なのか」 保育園児の娘が運動会で走っている姿を初めて見たとき、涙が出た。 横では、妻が「はなちゃーん!」と絶叫していた。 僕は、動画撮影しながら「ああ、これが親なのか」と思った。 娘は2月生まれで、他の子どもたちに比べて体が小さ…