はなちゃんのみそ汁 番外篇

亡き妻のブログ「早寝早起き玄米生活」アーカイブから

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子育て

親がうれしい娘への贈り物

まとまらない家族会議 もうすぐ「母の日」。実家の母に何を贈ろうか、と考えていたところ、 亡き妻が娘の誕生日プレゼントについて書いたブログのことを思い出した。 以下、そのときの家族会議の内容。 アホな夫婦のアホな会話をお楽しみください。 誕生日の…

初任給をもらった娘が僕にしてくれたこと

父子の17年間を振り返りながら ひと月ほど前、その日の夜を空けておくように、と娘から言われていた。 目的を聞いても、教えてくれなかった。 娘が指定していた日になった。 夕方、「19時10分に地下鉄の駅前に来て」とだけ、スマホにメッセージが送られてき…

心残りなく死を迎えるために

亡き妻が残したメッセージ 9年前の今日、熊本で大地震が起きた。 多くの尊い命が失われた。 人生は、いつ何が起きるか誰にもわからない。 明日の朝、必ず生きて目覚めるという保証はどこにもない。 今日という1日は、震災で亡くなった人たちのどうしても生き…

広末涼子さんと僕たち親子の関係

自分と未来は変えられる 昨年のクリスマスイブ。広島旅行中の娘から、僕に画像が送られてきた。 その画像には、ある女性からのメッセージが綴られていた。 メリークリスマス はな! 広島デート楽しんでね。 楽しいホリデーを!! FROM りょうこ 差出人は、俳…

子育て最終日に思うこと

妻の遺言 2025年3月31日。 僕にとって、特別な意味を持つ日。 明日、娘は新社会人になる。 きょうは、子育て最終日なのだ。 娘が、おぎゃあと生まれて22年。 そのうち、17年間が父子家庭だった。 妻は天国に旅立つ直前まで心配していただろう。 こんな男に娘…

塗装をしながら思い出したこと

どこに行っても塗り絵 娘は幼いころから塗り絵が大好きだった。 どこに行くにもスケッチブックとクレヨンを手放さなかった。 今回、親子で取り組んだDIYが、そのことを思い出させてくれた。 東京ディズニーランドで塗り絵をする娘(2008年11月7日)。 帰りの…

空へ 子育て報告書

亡き妻の誕生日に 妻亡き後、これまでさまざまなメディアに取り上げてもらったが、新聞の一面を上から下まで埋め尽くしたのは初めてのことだった。 僕はかつて新聞社で働き、記事を書く側だった人間。全国紙の一面に掲載することを決めたデスクや編集者の判…

毎日新聞で紹介された僕たち家族の過去と今

子育て「最終章」 本日(19日)午前11時に毎日新聞ニュースサイトに僕たち家族の記事が掲載された。 娘とのふたり暮らしも今年で17年。長かった。いや、短かったかな。「父と娘の子育て『最終章』」との見出しに、まもなく訪れる娘の「巣立ち」を感じずには…

もらって一番うれしいもの

さりげない気遣い 気づけば今年もあとわずか。 10月からずっと忙しく、しばらく実家の両親に会ってなかった。 急ぎの仕事がなかった昨日、両親が暮らす福岡県宮若市に向かった。 手土産は、娘の彼氏ねすたのお母さんからいただいた「会津のりんご」。 hanami…

娘が撮影した写真を見て感じたこと

幼い頃から慣れ親しむ あれは10年前、娘が小学6年の夏だった。 韓国にホームステイをすることになったので、カメラを買ってあげた。 フジフィルムのコンデジ。 娘はカメラのデザインが気に入って、今も大切に使ってくれている。 先日、彼氏と大濠公園に出か…

娘の心に芽生えた「食を伝えたい」という感情

はなちゃんのみそ汁講座 「こんなに喜んでもらえるなんて。幸せだね。やってよかった」 みそ汁講座を終えた直後の娘の率直な感想だ。 宮崎県小林市立東方中学校の調理室。 36人の生徒たちは、自分たちで作った約60人分のみそ汁を鍋に残さず飲み干した。 大学…

幼い娘が被害者であることに気づいてなかった

大切な人を亡くした後、どう生きるか 元読売テレビアナウンサーの清水健さんと対談することになった。清水さんは、妻を乳がんで亡くしたシングルファーザー。家事や子育て、PTA、地域活動などに悪戦苦闘しながら踏ん張って生きている。 対談を前に、清水さん…

妻を乳がんで亡くしたアナウンサーとの交流

家庭教師は娘の彼氏 朝からそわそわしていた。大阪から元読売テレビアナウンサー(現フリーアナウンサー)の清水健さんが、小学生の一人息子を連れて、わが家を初めて訪ねてくるからだ。2人の到着は夜なのに、昼過ぎにはバーベキューの準備が整っていた。 清…

赤ちゃんと見つめ合う意味

オキシトシン 友人の赤ちゃんを抱っこする機会をいただいた。思えば、娘が産まれて間もない頃、妻が闘病中だったため、夜泣きする娘をあやしたり、お風呂に入れたり、おむつを替えたりしたものだ。約20年ぶり。あの当時を懐かしみながら、赤ちゃんにミルクを…

最後の授業料を振り込んで

無償の愛 娘は大学4年生。卒業に必要な単位はすべて取得し、今は卒論に忙しい。 先日、娘が通う大学から、令和6年度後期授業料等納付金の振り込み用紙が届いた。 最後の納付金だ。自宅近くの銀行で、指定の口座に振り込んだ。 4年間、計8回、同じ銀行の同じ…

幼い文字でつづった亡き母への思い

今ここ 古いハードディスクの中を整理していたら、娘の作文が出てきた。書いたのは小学3年生ぐらいの頃だろうか。題は「ママとの約束」。亡き母親への感謝の気持ちがつづられていた。 私がママのおなかの中にいるとき、ママは、うむか、うまないか、なやんで…

大切な人を亡くした後の心の持ちよう

「笑い合える日」が来ることを信じて あの日、僕は、体の一部をもぎ取られるような寂しさを感じた。 最愛の妻を亡くし、激しい喪失感にさいなまれ、運命を呪い、酒におぼれる日々を過ごした。 夜になると、ぼろぼろと涙がこぼれた。 自分のせいで、妻を死な…

亡き妻に子育てを託されて気づいたこと

教育の「本丸」は家庭 今年も1年分のみそを仕込んだ。 母と叔母にも手伝ってもらった。 2人を送る帰りの車の中でのことだ。 後部座席に座っていた叔母さんが、何の前触れもなく、僕に言った。 「信吾ちゃん、はなちゃんを立派に育て上げたね」 素直にうれし…

四日市の主婦に気づかされた今後の生き方

「生きる力」を子どもたちに 三重県四日市市での「弁当の日」上映会と講演を終えた翌朝、僕はホテルを出て帰路についた。新幹線に揺られながら、これからの生き方を考えた。 あと5年ぐらいしたら、趣味のカメラとウクレレを楽しみながらのんびり暮らそう。実…

娘の遊び相手はパパだけだったあの頃

今は「恋愛レボリューション」な娘、21歳 疲れて仕事から帰宅すると、いつも娘のダンスに付き合わされた。「パパ、見て見て〜。この曲踊れるようになったよ。動画撮って〜」。夜の遊び相手はパパだけだった。パパらぶだった。 今はカメラを向けると逃げられ…

ブログ読者と講演会場で対面

存在を認められるということ 昨日は、久留米市立犬塚小学校で講演をした。演題は「食べることは生きること」。食を通して、子どもたちを評価するのではなく、存在そのものを認めることの大切さを伝えたかった。 参加者は、犬塚小の児童とPTA、「犬塚校区まち…

「ママはどうして私を産んだの?」と娘に問われて

妻がこの世にいた証し 今でもはっきりと覚えている。2015年8月31日の夜、祭壇の前に布団を2つ並べて、部屋の照明を消したときだった。中学1年生の娘が妻の遺影を見つめながら、ぽつりとつぶやいた。 「ママはどうして、私を産んだのかなあ。もし、私を産まな…

亡き妻が娘に遺した言い伝え

一粒の米の中には七人の神様がいる 久しぶりに、和風だしのパエリアを作った。 娘の彼氏、ねすたがたくさん食べてくれた。 パエリアを食べたのは、人生で初めてだったらしい。 作り手として、これほど、うれしいことはない。 食事中、娘がパエリアを皿に盛り…

食べてくれる人の笑顔を思い浮かべながら作る

いのちをいただく きょうは、娘と娘の彼氏と3人で久留米市田主丸町の酒造会社を訪ねる。 娘に誘われた。珍しいこともあるもんだ。 目的地は、米焼酎で有名な紅乙女酒造。 社長が、娘のアルバイト先の寿司店の常連客で、僕も親しくさせてもらっている。 朝、…

あの頃に戻れるのならば、戻ってもいい

シングルパパのトークライブ 大阪のフリーアナウンサー清水健さんと年に一度、トークライブの配信をやっている。 今年3月、ふらりと清水さんの事務所を訪ねた。 テーマを決めずに語り合った。 あっという間の3時間だった。 清水さんは、がんで妻を亡くしたシ…

大学の納付金を振り込み、考えたこと

「子育て最終章」残り数ページ 娘の大学の納付金(前期)を振り込んだ。 8日から大学4年生。学生生活も残り1年となった。納付金の振り込みも、あと1回で終わる。 大学から届いた振り込み用紙を持って、銀行の案内係の女性から口座引き落としの手ほどきを受け…

心が弱っているとき、会いたくなる人

「112日間のママ」×「はなちゃんのみそ汁 心が弱っているとき、会いたくなる人。 大阪在住、フリーアナウンサーの清水健さん。小学3年生の男の子を育てているシングルファーザーだ。 清水さんは、9年前、妻の奈緒さんを乳がんで亡くした。奈緒さんは、妊娠…

亡き妻のブログに影響を受けた母親との出会い

変わるべきは子どもではなく・・・ 昨日、愛知県日進市で話をさせてもらった。 三重県四日市市から駆けつけてくれた2人の母親がいた。 母親の1人、赤星純子さんは、16年前、亡き妻千恵のブログに出会って「人生が変わった」と打ち明けてくれた。 それまで、…

わが家の和室は桜が満開

ひな祭り 今のマンションに住むようになって21年。 水回りをはじめ、あちこち修理が必要になってきたので、思い切ってリフォームをすることにした。 わが家の和室は啓翁桜が満開。 クロスはさくら色に張り替えようか。 考える時間が楽しい。 この景色も今年…

命がけであなたを産んだ⑩(番外編)

生きている間にやるべきこと 3年ほど前から、それまで手付かずだった千恵の遺品を片付ける習慣が身についた。 今朝、アルバムを整理していると、学生時代の千恵の写真が出てきた。 僕と出会う少し前の千恵。 今のはなと同じくらいの年齢だろう。 大学生時代…