母を身近に感じるステージで 始まりがあれば、いつか終わる日が訪れる。 寂しいが、仕方がない。 今年の「いのちのうた」が、娘の“ラストダンス”になりそうだ。 夜、いつものメンバーでダンスの練習を終えた娘が、ぽつりとつぶやいた。 「多分、今年で最後に…
手作りでは出せない味 娘はよく働く。13連勤のアルバイトを終えた夜、LINEで「今夜は何が食べたい」と尋ねると「マックがいい」と娘。 「ハンバーグを焼いてバンズに挟んで作ってあげるよ」 そう伝えたが「なんか、マックの気分なんよ」。 娘はヘトヘトに疲…
駅構内を走り続けた9分間 その日、僕は広島県神石高原町での講演を終え、徳山駅にいた。 時刻は、博多行きの新幹線に乗車する20分前。まだ余裕があったため、土産売り場に向かった。 3人分の尾道ラーメンを買い、改札を抜け、エスカレーターで新幹線のホーム…
大切な人を亡くした後、どう生きるか 元読売テレビアナウンサーの清水健さんと対談することになった。清水さんは、妻を乳がんで亡くしたシングルファーザー。家事や子育て、PTA、地域活動などに悪戦苦闘しながら踏ん張って生きている。 対談を前に、清水さん…
こっそりはうまい 娘がアルバイトで家にいない夜。 冷凍庫の奥の方に隠しておいた高級アイスをこっそり食べる。 自分のお金で買ったアイス。 後ろめたさを感じる必要はないはず。 なぜ、こっそり食べるのだろうか。 理由はよくわからない。 でも、こっそりは…
家庭教師は娘の彼氏 朝からそわそわしていた。大阪から元読売テレビアナウンサー(現フリーアナウンサー)の清水健さんが、小学生の一人息子を連れて、わが家を初めて訪ねてくるからだ。2人の到着は夜なのに、昼過ぎにはバーベキューの準備が整っていた。 清…
不器用だが、やさしい 妻の葬儀を終えて3週間後の夜、僕たち親子は自宅のバルコニーにいた。当時5歳の娘と一緒に、真夏の夜空に打ち上げられる花火を見ていると、インターホンが鳴った。玄関には、友人で運送会社社長のヨウイチが寿司桶とビールを持って立っ…
妻がいない花火大会の夜 2008年8月1日、自宅近くの大濠公園では恒例の花火大会が催された。 妻の千恵が亡くなって約3週間。まだ、現実を受け止めることができなかったころだ。 僕たち親子は、バルコニーにデッキチェアを並べて、夜空に上がる花火を眺めてい…
上映会を企画 ひとりの小学生の思いと行動が、大人たちを動かした。 福岡県宇美町の小学6年生、上田浩平君。 浩平くんは、映画「弁当の日」上映会の企画書を作成した。 校長やPTA会長に提案すると、共感の輪が広がり、学校だけでなく、行政も動き出したのだ…
笑いごとでは済まされない 僕は焦っていた。郊外のスーパーで週末の食材を購入した後、実家に梨を届けなければならなかった。朝から仕事に忙しく、既にスケジュールは2時間遅れだった。 それでも、まだ、いくつかの家事が終わってなかった。 起きてきた娘に…
ライブの後は屋台で打ち上げ ライブ三昧の日々を送っている。9月は計4回のライブに参戦。このうち2回は、同級生セイジ夫妻と一緒だった。アラカン世代の3人。健全な夜遊びを楽しんでいる。 昨夜は、セイジ夫妻と親不孝通りのバーで合流。その後、190R(イク…
昭和レトロ 料理の器は、こだわるタイプ。 特に、カレー皿にはうるさい。 イチ推しは、昭和レトロなステンレス製。 カレーライスが何倍もうまくなる。 もち麦ごはんのチキンカレー。ラッキョウの甘酢漬けは母の手作り。 イケダ カレー皿 10- 1/2インチ 丸小 …
人生2度目のジロー 娘と娘の彼氏ねすたからランチに誘われた。 行き先は、福岡市内でうまいと評判の二郎系ラーメンの店。 人生2度目の二郎だ。 13時半ごろの到着を目指し、地下鉄に乗った。 店に向かう途中、ねすたが注文する際のルールを教えてくれた。 …
安価な食材をおいしく調理 朝夕が涼しくなった。 娘と娘の彼氏ねすたに「久しぶりに炭火を起こそうか」と提案してみた。 全会一致で可決。晩ごはんは、約4カ月ぶりのバーベキューに決まった。 心地よい秋風。ベストコンディション。 安価な食材をおいしく調…
ベジブロス 娘は大学の栄養科学部に在籍する4年生。今、卒論に取り組んでいる。 4年間の集大成として、娘が選んだテーマは「ベジブロス」。生ゴミとして捨てられることが多い野菜の皮や切れ端を煮出して作るスープの名称だ。その調理法は、食材の「いのち」…