はなちゃんのみそ汁 番外篇

亡き妻のブログ「早寝早起き玄米生活」アーカイブから

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命がけであなたを産んだ⑩(番外編)

生きている間にやるべきこと 3年ほど前から、それまで手付かずだった千恵の遺品を片付ける習慣が身についた。 今朝、アルバムを整理していると、学生時代の千恵の写真が出てきた。 僕と出会う前の千恵。 今のはなと同じくらいの年齢だろう。 大学生時代の千…

命がけであなたを産んだ⑨(最終話)

妻がこの世にいた証し あまりに唐突な問いだった。どう答えればいいのか。僕は一瞬、戸惑った。 娘が12歳の夏、妻の遺影を見ながら、こうつぶやいたのだ。 「ママはどうして、私を産んだのかなあ。もし、私を産まなかったら、今も生きていたかもしれないよね…

命がけであなたを産んだ⑧

子守唄は「ゆりかごのうた」 はなは、病気もせず、すくすくと育った。僕と千恵の体調も良好だった。 6月には親子3人で長崎県佐世保市のハウステンボスに行った。8月は、福岡の夏の風物詩、大濠公園の花火大会を自宅のバルコニーから眺めた。いつも、自宅に友…

命がけであなたを産んだ⑦

母になれた喜び 2003年3月29日、親子3人と犬2匹は、福岡市中央区六本松の新居に引っ越した。 千恵は、真新しいソファに腰掛け、母子手帳をうれしそうに、じっと見つめていた。はなを出産した浜の町病院は母乳育児を推奨していた。 千恵は、はなに「愛」を食…

命がけであなたを産んだ⑥

娘の名前に込めた思い 娘の名前はすぐに決まった。 平仮名で「はな」と名付けた。 僕たち夫婦は病気をした。病気が、1人では生きていけないことを教えてくれた。 支えてくれた周囲の人たちの言葉や行動に「愛」を感じた。 花は愛すべき人に贈る。 受け取った…

命がけであなたを産んだ⑤

親になる その夜、千恵は出産を決意した。 吹っ切れたのだろうか。翌日から千恵は人が変わったように明るく振る舞った。 一度は子どもをあきらめていた。そんな僕たちが、間もなく親になる。信じられなかった。 結婚して2度目の年を越した2003年2月20日。出…

命がけであなたを産んだ④

死ぬ気で産め お腹の赤ちゃんはどんどん大きくなる。産むか、産まないか。決断までのタイムリミットが迫る。本来ならば、幸せの絶頂期のはずなのに、僕たち夫婦は、かつて経験したことのない苦しみを味わった。 最終的には、実父の「死ぬ気で産め」の一言で…

命がけであなたを産んだ③

二者択一 抗がん剤の副作用で、子どもは無理といわれながらの奇跡的な妊娠。 だが実は、千恵は妊娠を望んでなかった。 がん患者にとって出産はリスクが高い。エストロゲンという女性ホルモンが卵巣から活発に出始めることで、がんが再発する可能性がある。文…

命がけであなたを産んだ②

妊娠 結婚前、千恵は主治医に「抗がん剤の影響で出産は難しい」と告げられていた。 新婚旅行先のカナダから日本に戻ると、千恵から信じられない報告があった。 「おなかにいるみたい」 2002年6月22日朝、千恵が妊娠していることが分かった。 2カ月前、カナダ…

命がけであなたを産んだ①

21歳の誕生日に はな、誕生日おめでとう。 21年前の今日(2/20)、僕たち夫婦の長女として、生まれてきてくれてありがとう。 大きな病気もせず、事故にも遭わず、よくぞ、ここまで育ってくれました。 よくぞ、今日まで生き続けてくれました。 パパも、はなの…

へそくりを見つけ出したような気分

冷凍庫の奥から板のりを発見 午前中は、愛車のメンテナンス。 朝食をぱぱっと済ませて出かけなければならない。 台所で食材を確認。 冷凍庫の奥の方から密封状態の板のりが出てきた。以前、友人からお土産にもらったものだった。炊飯器には、2人分のご飯。粗…

お叱りを受けるかもしれませんが・・・

妻の遺影に報告 僕は結婚を機に、宗教を仏教からキリスト教に改宗した。 亡き妻千恵が、カトリック信徒だったからだ。 カトリックのしきたりに詳しくなかった僕は、千恵の葬儀を終えた後、彼女が好きだったコーヒーや緑茶を遺影に供えた。それを見た義母が「…

ひな人形の収納箱から出てきた一枚の写真

何気ない日常の大切な思い出 気づけば、2月も中旬。 あと2週間ちょっとで、ひな祭り。 娘に「ひな人形を飾ろうか?」と聞いてみた。 「どっちでもいいよ」と、そっけない返事。 就活のエントリーシート作成に追われ、それどころではなかったのだろう。 何年…

おでんを食べながら笑いが込み上げてきた理由

幸せは突然やってくる 自宅でひとり昼食。 昨夜の残りのおでんを食べながら、ぐふふふふと笑っている。 我ながら、気持ち悪い。 今朝、娘と交わした約束を思い出したのだ。 大学が春休みに入った娘は、連日のアルバイト。出勤前、弁当を作っていた。 「出来…

7年前、パパは娘と仲良しだった

あれば大変、なければ寂しい 娘が中2のころ。バレンタインデーにガーナの板チョコとハーゲンダッツをもらった。 反抗期に入るちょっと前。仲良しだった。 7年前のバレンタインデー(2017年2月14日) 若いころ、たくさんもらったチョコレート。 部屋はチョコ…