はなちゃんのみそ汁 番外篇

亡き妻のブログ「早寝早起き玄米生活」アーカイブから

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健康

大けがをした娘の彼氏

立冬に入り、暦の上では冬になる。そろそろ鍋の季節だ。 胃袋は元気 娘の彼氏ねすたは、週に7日、わが家でご飯を食べる。 ねすたの好きなもつ鍋の準備をしながら、娘に尋ねた。 「今夜、何時頃に来る予定?」 「来ないよ。きょう入院した」 娘によると、サッ…

娘の心に芽生えた「食を伝えたい」という感情

はなちゃんのみそ汁講座 「こんなに喜んでもらえるなんて。幸せだね。やってよかった」 みそ汁講座を終えた直後の娘の率直な感想だ。 宮崎県小林市立東方中学校の調理室。 36人の生徒たちは、自分たちで作った約60人分のみそ汁を鍋に残さず飲み干した。 大学…

2度のがんを克服した青年との出会い

ボディコンテストで1位 がん患者支援のチャリティーイベントで、ある青年と出会った。山口県岩国市の海上自衛隊に勤務する松岡力也さん。彼はステージ4のがん患者だった。 2度の手術、抗がん剤治療などで病を克服。 今は、自衛隊勤務の傍ら、スポーツモデ…

がん患者支援のイベントでみそ汁振る舞う

やさしいバイク愛好者たち がんの子どもたちや家族を支援するチャリティーイベントに参加した。 バイク愛好者の団体が主催。会場は、北九州市若松区のひびき海の公園。 娘は、特設テントで、100人分のみそ汁を作った。 20リットルの昆布だしに200グラムの削…

娘の彼氏はサンマの食べ方が芸術的に美しかった

初物七十五日 娘の彼氏、ねすたが東京に帰省する。福岡を離れる前のねすたに、好きな料理を食べてもらおうと、夕食の献立を考えた。ねすたは魚好き。秋の味覚を代表する魚、サンマはどうだろうか。ここ数年、不漁で高値が続いていたサンマだが、報道によると…

趣味を生かしてボケ防止

父90歳、プラモ作りに熱中 父は昭和9年生まれの90歳。 体は健康。頭脳明晰。薬も飲んでない。悪いところは歯ぐらいか。 そんな父に、僕の弟がプラモデルをプレゼントした。 ボケ防止対策である。 弟がプレゼントしたプラモデルは、父の好きな城。 姫路城と松…

仕事部屋の椅子を買い替えて腰痛解消

人生の相棒 ハーマンミラーのアーロンチェアを使い始めて3カ月。これが、すごくいい。 以前は、長時間のパソコン作業をすると、腰の痛みで歩けなくなるほどだったが、今はどうってことない。アーロンチェアは、完成度が高く、次元が違うのだ。デスクワーク…

家族3人で移住を考えていた場所

山の暮らし 太郎さんと出会い、彼の家に通うようになって、僕たち夫婦は、山の暮らしに魅せられた。娘が小学校に入学する前のタイミングで、山に引っ越すことを考えていた。 hanamisosoup.com 久しぶりに太郎さん宅を訪ねた(2024年6月2日)撮影:ねすた ワ…

娘が安心して家を出て行けるように

夜、花と酒を楽しみながら 両親の健康状態を確認するため、月に2回、実家の福岡県宮若市に帰っている。 実家から福岡市の自宅に戻る途中、必ず寄る場所がある。 久山町にある「久山植木」。 いつからだろうか。ここで、花を買うようになった。 若かったころ…

「ママはどうして私を産んだの?」と娘に問われて

妻がこの世にいた証し 今でもはっきりと覚えている。2015年8月31日の夜、祭壇の前に布団を2つ並べて、部屋の照明を消したときだった。中学1年生の娘が妻の遺影を見つめながら、ぽつりとつぶやいた。 「ママはどうして、私を産んだのかなあ。もし、私を産まな…

父、娘の説教に反論できず

噛むことは生きること 深夜、吐き気を伴う腹痛で、トイレに駆け込んだ。 トイレから出て、床に横たわっていると、物音に気づいた娘が起きてきた。 娘は心配そうな表情で僕を見つめた。 「最近、ちょっと多いんじゃない」 実は、今年で4回目だった。 そのうち…

仕事が楽しくなる「アーロンチェア」

腰痛からの脱却 執筆や映像編集の仕事をやっている関係で、デスクワークの時間が長くなる。 これまでは、ダイニングテーブルの椅子をパソコンの前に移動させて使っていたため、作業を終えると腰が凝り固まってしまい、歩くことさえ困難になることが多かった…

風邪をひかなくなった娘の彼氏

食の力 娘の彼氏、ねすたの体調が良い。手前味噌だが、ほぼ毎日、わが家の手料理を食べていることが関係しているのかもしれない。 きょうの朝食は、タケノコのみそ汁と卵かけご飯と辛子明太子。 ご飯は玄米の七分つきに麦を混ぜたものだ。 「ねすた、最近、…

敷布団難民からの脱却へ

早めの購入が結果的には安上がり ドイツ製の三つ折りマットレスを購入した。 エマ・スリープから発売されている「エマ・敷布団・プレミアム」。 2週間使ってみた。 これが、なかなか良い。 マットレスの素材はウレタンフォーム。 硬すぎず、柔らかすぎず、快…

90歳、父は現役カメラマン

飲酒に煙草、病気知らず 3月1日は父の誕生日。 昭和9年生まれ。90歳。 父は70歳ぐらいまで、酒を浴びるほど飲み、煙草を吸いまくっていた。最近、歯が抜けて、大好きだったホルモンが食べにくくなってきたようだが、心と体は健康そのもの。国が推奨する健康…

痛みが治まらず受けた前立腺がん検診

エンディングノートを準備 場所が場所なだけに、しばらくの間、放置していたのだけど。 実は、年明けから、左側の睾丸の付け根あたりが、ずっと痛くて。 1日に3〜4回ほど鈍痛が襲っていた。 2月上旬、かかりつけ医に相談したところ、「ちゃんと検査を受けた…

命がけであなたを産んだ⑩(番外編)

生きている間にやるべきこと 3年ほど前から、それまで手付かずだった千恵の遺品を片付ける習慣が身についた。 今朝、アルバムを整理していると、学生時代の千恵の写真が出てきた。 僕と出会う少し前の千恵。 今のはなと同じくらいの年齢だろう。 大学生時代…

命がけであなたを産んだ⑨(最終話)

妻がこの世にいた証し あまりに唐突な問いだった。どう答えればいいのか。僕は一瞬、戸惑った。 娘が12歳の夏、妻の遺影を見ながら、こうつぶやいたのだ。 「ママはどうして、私を産んだのかなあ。もし、私を産まなかったら、今も生きていたかもしれないよね…

命がけであなたを産んだ⑦

母になれた喜び 2003年3月29日、親子3人と犬2匹は、福岡市中央区六本松の新居に引っ越した。 千恵は、真新しいソファに腰掛け、母子手帳をうれしそうに、じっと見つめていた。はなを出産した浜の町病院は母乳育児を推奨していた。 千恵は、はなに「愛」を食…

命がけであなたを産んだ⑤

親になる その夜、千恵は出産を決意した。 吹っ切れたのだろうか。翌日から千恵は人が変わったように明るく振る舞った。 一度は子どもをあきらめていた。そんな僕たちが、間もなく親になる。信じられなかった。 結婚して2度目の年を越した2003年2月20日。出…

命がけであなたを産んだ④

死ぬ気で産め お腹の赤ちゃんはどんどん大きくなる。産むか、産まないか。決断までのタイムリミットが迫る。本来ならば、幸せの絶頂期のはずなのに、僕たち夫婦は、かつて経験したことのない苦しみを味わった。 最終的には、実父の「死ぬ気で産め」の一言で…

命がけであなたを産んだ③

二者択一 抗がん剤の副作用で、子どもは無理といわれながらの奇跡的な妊娠。 だが実は、千恵は妊娠を望んでなかった。 がん患者にとって出産はリスクが高い。エストロゲンという女性ホルモンが卵巣から活発に出始めることで、がんが再発する可能性がある。文…

命がけであなたを産んだ②

妊娠 結婚前、千恵は主治医に「抗がん剤の影響で出産は難しい」と告げられていた。 新婚旅行先のカナダから日本に戻ると、千恵から信じられない報告があった。 「おなかにいるみたい」 2002年6月22日朝、千恵が妊娠していることが分かった。 2カ月前、カナダ…

娘の1日限定カフェに来てくれた亡き妻の主治医

友人知人が集う場に 2月7日、娘が“1日店長”を務めたカフェ「Hana Kitchen」。 開店と同時に満席になり、厨房は閉店間際までフル回転。大盛況だった。 店内は、娘と僕の友人や知人が一堂に集う場にもなった。 調理の合間に、久しぶりの再会に乾杯。「はじめま…

意志が弱い自分に絶望した夜

飲酒は禁止のはずなのに 人間ドック前夜。素敵な店に誘われて。 こんなもの出されたら。 人生初の「牛タンしゃぶしゃぶ」。 そりゃ飲みますがな。 生ビール2杯とハイボール1杯。悪いやつと。 締めは雑炊。 20時に帰宅しました。 牛タン 専門店 タンしゃぶ亭 …

職場でこっそり読んで涙した妻のブログ

そこにいるだけでいい 大切な人がそこにいる。 今、生きている。 何に不満があるんだ。 十分じゃないか。 そんなことに気づかせてくれた亡き妻のブログ「そこにいるだけでいいということ」。 17年前、職場でこっそり読んだ。 がん闘病中の妻から僕へのメッセ…

娘が泣きながら捨てたタバコ

大切な人のために生きる ダイニングテーブルの上にタバコが置かれてあった。 前日、わが家を訪れた友人のものだった。 タバコが置かれたテーブルで、娘が朝ごはんを食べ始めた。 その光景を見つめながら、僕は、15年前のある朝の食卓を思い出した。 わが家の…

ねすた、娘の見舞いを拒否

本当のやさしさとは 先日、娘の彼氏、ねすたがインフルエンザに感染した。 病院で処方してもらった薬を飲んでも熱が下がらず、相当きつそうだった。 娘がみそ汁を作って持って行く予定だったが、ねすたが、それを拒んだ。 娘に感染させてしまってはいけない…

「食う寝る出す」は人生の三大要素

大切なことはユーモアを交えて 闘病中の妻のモットーは「大切なことはユーモアを交えて伝える」ことだった。 亡くなる91歳まで若さを保ち、自身の栄養学を実証した川島四郎先生の名著「食べ物さん、ありがとう」(朝日文庫)。妻は、この本からその極意を学…

14年ぶりに再会した韓国人女性の優しいハグ

妻とソヨンさんのつながり 僕と千恵がカナダに1カ月ほど滞在した際、現地でお世話になった女性がいる。 韓国人のソヨンさん。 昨日、観光で福岡を訪れた彼女と食事をした。 千恵が亡くなった翌年2月に会って以来だから、14年ぶりになる。 食事中、娘は千恵と…