マクロビオティックの思想
僕はマクロビオティックを実践しているわけではないが、千恵の影響で、その考え方は少しだけ理解している。
重要なキーワードは3つ。
その土地で収穫された食材や旬のものを食べること。地産地消とほぼ同義語だ。
一物全体
食材を全部丸ごといただくということ。
料理家のタカコナカムラ先生が提唱する「ホールフード」もこの考え方を取り入れている。
皮や葉も残すところなく食べる。普通の調理では捨てられる部分に栄養がたくさん詰まっている。ゴミを減らせてエコにもつながる。
代表的な食べ物が玄米。精白した米は「一物全体」ではない(僕は時々、玄米派)。
陰陽調和
陰陽とは「何事にも相対する関係の存在がある」ということ。
食事においては、温かいものは陽性、冷たいものは陰性。動物性タンパク質は陽性、甘いものや酸っぱいものは陰性などの特徴がある。陰陽には優劣があるわけではなく、双方のバランスを取ることが重要。その均衡を保とうとする姿勢が「陰陽調和」なのだ。
食事で陰に傾いたら陽を食べる。その逆も必要。「中庸」(どちらにも偏らないで常に変わらないこと)を保つことが、マクロビオティックの教えの基礎にある。
千恵は、食べ物だけでなく、がん治療や育児など日常の暮らしにも「中庸」を実践した。
とりわけ、千恵が重要視していたのが、玄米を食べること。
献立は、陰陽調和を意識し、よく噛んで食べた。
当時、わが家は365日、ほぼ玄米、時々、分つき米だった。
僕と娘は、こっそり内緒で、ファーストフード店に行くこともあった(中庸が大事)。
玄米の炊き方(2007年4月13日)
何だか、私のブログはいつの間にか、
「食料探しブログ」みたいになってきているので、ここらで原点に戻ります。
今でこそ徐々に認知度を上げてきているマクロビオティックですが、それでもやはり、「マクロビオティックをやっています」というと、
「何それ?」
「ベジタリアンなの?」
「肉とか魚は食べられないんでしょ?」
「あれもだめ、これもだめって、制限が多すぎてストレス感じそう」
とマイナス要素の多い反応が返ってくることが多いです。
創始者の故・桜沢如一(サクラザワ・ユキカズ)さんは、ひと言も「肉を食べたらいけない」とは言っていません。
マクロビオティックが目指す最終的な方向は、すごく簡単に言うと「食べ物で人生をより良くし、楽しんでください。みんなが幸せになる方法を探しましょう」というもの。
食べ物のことばかりに固執するのではなく、食べ物を通して、環境のこと、世界のことなどに思いをはせながら、それぞれができる範囲でやればいい、と私は思っています。
食べ物を基本に考えられるようになると、自ずと生産者のこと、環境のこと、子どもたちのことにも目が行くようになるものです。
ただ、私のように、がんなどの病を発症してしまった場合は、症状に合わせて制限がより厳しくなる、というだけの話。
「でも、やっぱり何から始めたらいいのか、さっぱりわからない」という人は、まずは玄米を炊くところから始めてみたらいいかもしれません。
ハードルが低いと、やる気も起こる。
玄米は、命の塊です。
白米は、玄米についているビタミン、ミネラル、たんぱく質などの栄養素をわざわざ精米によって取り払ったもの。
玄米と白米を水につけて2週間おいておくと、白米は腐れますが、玄米からは芽が出ます。
それだけ、パワーのある食物なのです。
では、私が長年やってきた玄米の炊き方を伝授。
炊飯器、土鍋、ステンレス鍋と、手を変え品を変えやってきましたが、一番もっちりぷちぷちと、おいしく炊けるのは、やはり圧力鍋だと思います。
経験上、1合ではあまりおいしく炊けないので、今回は3合の場合。
玄米を選ぶ際の注意点ですが、玄米はもみがらをはずしただけのものです。だから、農薬はダイレクト。できるかぎり、有機・無農薬をオススメします。農薬米なら、白米に精米したほうが安全です。
玄米を3合、ボウルに取ります。
籾殻つきのものや、小石、黒く変色した米は取り除きましょう。
最初にすすぐ水は、「出逢い水」と言って大事な水。なぜなら、米は最初の水を約7割ほども吸水してしまうからです。できるかぎり、塩素たっぷりの水は避け、浄水か良い水を使いましょう。
そして、米と米を両手で こすり合わせるようにして水を2、3回替えていきます。水が濁らなくなってきたら、ざるに上げましょう。
水の量は、玄米が3合なら4カップ(800cc)2合なら3カップ(600cc)。
玄米の量より、水が1カップ多い、と覚えましょう。
人によっては、1、2時間吸水する人もいますが、私はいつもすぐに炊いています。ただ、炊飯器か土鍋の場合は、少なくとも4、5時間吸水したほうが無難。
大事なのは、ひとつまみの塩(自然塩)。
これを入れるか入れないかで、甘みとうまみが全然違います。
玄米はカリウムが多いので、塩のナトリウムでこれを中和します。
私はほぼ365日玄米生活なので、春夏秋冬、気分転換に時々いろんな雑穀を混ぜています。
土鍋と炊飯器の方は、もちきぎ、もちあわ、など「もち」がつく雑穀を入れると、炊き上がりがもちもちになりますよ。
ちなみに今日は、赤米、キヌア、アマランサス、もちきび、もちあわ、麦、蕎麦、高きび、ハト麦などをブレンドしています。
2年に1回、パッキンを修理しながら使っているフィスラーの圧力鍋です。
強火にかけます。
ピンが上がったら、弱火にして20分圧をかけます。20分たったら、火を消して、ピンが自然に下がるまで待ちます(鍋によって、タイマーつきの物や両手鍋タイプなどさまざま。自分が使いやすいものを選びましょう)。ピンがついていないタイプの鍋は、「シュー」という音がして蒸気が上がってから弱火にして20分。火を消して20分後に蓋を開けます。
ほんわかふんわかほんわかほい♪
炊き立てのもちもち玄米。炊き上がりを撮るのをすっかり忘れていた^^;
炊き上がったら、しゃもじで十字に切って、鍋の底からさっくりと混ぜます(天地返し)。
布をかけて蒸らしたら出来上がり。
今日はここまで。
次回は、玄米ご飯を食べるときに欠かせないゴマ塩の作り方を伝授します。
さよおなら~♪(娘と私の今の流行言葉)