はなが喜んでくれたら・・・
夕食時、娘が突然、僕に提案をした。
「パパ、2人で温泉でも行こうか」
驚きと喜びのあまり、椅子から転げ落ちそうになった。
平静を取り戻し、「どこがいい?」と娘に尋ねると、
「九州がいい。大分かな」
大分と言えば、おんせん県。温泉と言えば、別府。
ああ、そう言えば、家族で行った最後の温泉旅行が別府だった。
16年前の夏、わが家の家計が一番苦しい時期だった。
勤務先の健康保険組合が保養所に指定していた格安ホテルに泊まった。
食べ物に決して文句を言わない千恵が、出された夕食を口に運び、苦笑いをした。
「ごめんな。明日のランチに期待してね」
翌日、僕の直感で選んだ店もいまいちだった。
帰りの車の中で、「次は絶対に満足させてあげるから」と約束していたのだが、
神様は、僕にリベンジする機会を与えてくれなかった。
娘と行く温泉の日程はまだ決まってない。
梅雨に入る前の5月下旬ぐらいがいい。
今度は綿密に計画を立てるからね。
はなが喜んでくれたら、ママもきっと許してくれる。
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