まだ見ぬ孫に
娘は絵本が大好きだった。
妻が他界した後も、毎晩、毎晩、読み聞かせ。
僕が読み終わると、必ず「もう一回」とリクエスト。
夜は、へとへとだったから。
こっちが寝落ちしてしまうことは、しょっちゅう。
中でも、娘が好きだった絵本は、谷川俊太郎さんの「もこ もこもこ」。
ページが破れてしまうほど、自分で何度も読み返していた。
手垢がつき、ぼろぼろになった絵本だけど。
まだ見ぬ孫に残しておこうと思う。
読み聞かせをしてあげる日が待ち遠しい。
「もう一回」って、言ってくれるかな。
あんじるせん(2008年5月17日)
ソファでうとうとしていたら、
夢の中で何か呪文のようなものがかすかに聞こえてきた。
うとうとしながら耳を澄ますと、
「あんじるせん
あんじるせん
あんじるせん
あんじるせん
あんじるせん
あんじるせん・・」
ムスメの声だった。
昼寝してしまった母を起こすのは無理だとあきらめたらしい。
ひとり、絵本を読んでいた。
絵本の表紙を見たら、
「アンデルセン名作集」と書いてありました。
表紙タイトルを何度も繰り返し読んでいたようだ。
目が覚めたから、これから、人魚姫を読んであげます。
あんじるせん・・
あんじるせん・・
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