娘の弱点
「暮らし力」まあまあ高めの娘。
いつ、社会に出しても、そこそこやれると思うが、弱点もある。
朝、1人で起きられない(笑)
目覚まし時計には無反応。
最低3回は起こしに行く。
火事に見舞われると、きっと助からないタイプだろう。
パパは毎朝、午前5時起き(就寝が早い)。
いつもは「◯時に起こして」と、前夜のうちに娘からLINEのメッセージがあるのだが、今朝は届いてなかった。
大学のテストで深夜の勉強が続いていたので、ゆっくり寝かせてあげようと思っていたところ、バタバタと慌ただしい音が聞こえてきた。娘の部屋をのぞくと「寝坊した〜」と泣き顔になっていた。
午前8時半までに、衣料品店のアルバイトに行かなければならなかったのである。
化粧をしながら「最悪〜」とつぶやく娘。
この子を残してまだ死ねない。
というよりも、パパの役割を残してくれていることに感謝。
以下、講演会でいつも紹介している妻のブログ(こちらが本題)。
※「はなちゃんのみそ汁」(文春文庫)にも収録。
あなたはこの子たちを残して死ねますか?(2008年2月16日)
助産師の内田美智子先生のところに、先生の講演を聞いた女性からメールが届いたそうです。
そのメールは、私の心を打つ内容でした。
ですから、以下、みなさまにもご紹介します。
こんにちは。
講演会では、素敵な心にしみるお話を聞かせていただき、ありがとうございました。
内田先生の話を聞くたびに、いつも自分自身を振り返らされます。
私の友人は42歳で亡くなりました。 子宮がんでした。
亡くなる時、中学1年生、5年生、2年生の子どもが3人いました。
がん発見から亡くなるまでの2年間、おかしな言い方ですが、最期まで元気でした。
元気に笑顔で、子どもたち一人ひとりに「ありがとう」と声をかけて亡くなりました。
その彼女が言った「私は子どもたちのことは少しも心配していない。しっかり子育てはしました。 心配なのはお父さん(ご主人)のことだけです」という言葉が、私の子育ての原点です。
私にも今、中学1年と小学2年生の子どもがいます。
「私はこの子たちを残して、彼女のように何の心配もない、と言いきって死ねるだろうか」
いつも、そのことが私の中にあります。
先生のお話のように、私たちは、いつか子どもを残して死んで行く日がきます。
私の父は、私が11歳の時に事故で亡くなりました。
私は、朝「いってきます」と出かけて行った人がもう帰ってこないことがあるということを知っています。
だから、毎日笑顔で「行ってきます」という言葉だけは大事にしています。
私は、子どもたちから「お母さんのような大人になりたい」と思ってもらえるほどの 親ではないかもしれませんが、でも、子どもたちが自分の足で歩んでいくことができるように導いていけたらと思ってます。
以上です。
「最期まで元気でした」というくだりには、ドキっとします。
だって、私も今は、すんごく元気ですから。
最期まで、元気でいたいものですね。
人生は、いつ、何時、何があるのか、わからないものです。
明日、生きていけなくなるような大地震が起こるかも。
食料難になるかも。
交通事故に遭うかも。
明日、明日・・・。
明日がちゃんとあるかなんて、神様にしかわからないもの。
私は、がんになった後にムスメを授かりました。
だから、この子を残して死ななければなりません。
がんになってもならなくても、死ぬ順番は、私が先に決まっています。
逆になったら、いけない。
だとすると、心残りがないように死ななければなりません。
彼女は私がいなくなった後、
生きる上で必須科目となる家事はできるだろうか。
今ムスメに手伝わせている家事は、
洗濯干し、洗濯たたみ、風呂洗い、靴並べ、掃除、保育園の準備、タンスの整理、自分の服の管理など。
ついつい、わかっていても、危ないから、自分がした方が早いから・・・云々と理由をつけて、一番大事な料理は最後になってしまいますね・・・。
彼女の手伝いの中に、配膳と料理部門を増やすことが、今後の私の課題。
私は、旦那のことは心配していません。
だって、彼は、自分のことは自分でできるようになっていますから。
普段は私がしますが、料理、掃除、服の管理、全てできるはずです。
彼が作るみそ汁は、私のなんかよりもはるかにおいしい。
彼が念を込めて磨ぎ、圧力鍋で炊いたご飯は、ほかほかでおいしい。
彼が気合いを入れて作った料理は、手抜きでズボラ~な私の料理よりもおいしい。
キレイ好きなため、掃除は私なんかよりも上手。
春夏秋冬、服と下着類は全て気に入ったものを自分で購入し、管理。
普段しないのは、洗濯とアイロンかけと茶碗洗いくらいでは?
それも、必要に迫られたらできるはず。
世の中のお父様方。
全て、奥さん任せにしていませんか?
奥さんも、全てやってあげていませんか?
もし彼らが、台所のどこにやかんがあるかも知らないし、お茶も煎れることができないんです、という場合。彼らが突然一人になったとき、どうしましょう。
私の場合は、ムスメ一人に負担をかけるわけにはいかないのです。
彼にも頑張ってもらわないと。
何にもできない彼やムスメだったら、心残りがありすぎて、おちおち天国に行けないっちゅー話です。
毎晩化けて出なくちゃなりません。
だから、厳しいと揶揄されようとも、彼と彼女が自分の足で生きていけるようになるまで、
心を鬼にして、しつけをするまでです(私も彼らから、しつけられていますけれども)。
そして、日々祈るのです。
旦那とムスメが、朝、「行ってきます」と言って出かけた後、
「ただいま~」と、元気に帰ってくることを。
がん友や大切な人々が、毎日元気でいることを。
それぞれの家族が、できるかぎり長く幸せであることを。
一家に、いや、一人に一冊
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