一旦はあきらめたが・・・
ツクシの卵とじが、急に食べたくなった。
近所のスーパーに並んでいるツクシは、驚くほど値が高い。
3月も下旬だが、ツクシ採りの名人でもある母に相談すれば何とかなるだろう。
ラッキーなことに午後の予定は何もなかった。
午前中に仕事を終わらせ、宮若市の実家に車で向かった。
「もっと早よ来な。この時期に、ツクシやらあるわけなかろうもん」
母はそう言いながらも「秘密の場所があるけん」と連れて行ってくれた。
そこは2年前、側溝を飛び越えようとした母が転んで田んぼに顔から突っ込み、右手首を骨折した場所だった。あのときも、「ツクシ採りに行くなら2月ばい。3月は遅すぎる」と指摘されていたことを思い出した。
なぜ、こんなに学習能力がないのだろうか。つくづくそう思う。
秘密の場所は空振り。
別の場所にも移動したが、やっぱり、ツクシは見当たらなかった。
ツクシ採りの名人も「今年は気温が高かったやろ。仕方ないね」と白旗。
僕もあきらめ、地元の農産物直売所で親鶏の甘辛煮を買って、自宅に戻った。
夜、親鶏をつまみにハイボールを飲んでいると母から電話がかかってきた。
「あんたが帰った後、別の場所にツクシを探しに行ったら、あったばい」
ゆでて冷凍しておいてくれるそうだ。
ありがたいなあ。
来月、また帰ろう。
母さんの好きな「揚子江の豚まん」を手土産に。
どちらさまも、下のボタンをうっかりクリック。