千恵は気づいていたのか
本当は、もう治療方法がなかった。
僕は、そのことを千恵に伝えることができなかった。
奇跡が起きることを祈り続けた。
千恵に隠れて、泣きながら食事を作った。
ふつうに接することが、これほど難しいとは想像もしてなかった。
こんなとき、家族は患者とどのように向き合えばいいのか。
どうやって、気持ちを奮い立たせればいいのか。
誰かに教えてほしかったが、誰にも聞くことができなかった。
あのとき、千恵は迫る死に気づいていたのだろうか。
がんが勝つか、私が勝つか。(2008年6月4日)
隠してもしょうがないのでね、正直に。
昨日、朝食を細々と食べていたら、ムスメから、
「ママ、目が黄緑色だよ。だいじょーぶ?」
と聞かれました。
ぎょっとして旦那と目を合わせました。
とうとう、ムスメが見てもわかるくらいになったか。
直後、
ムスメは、
小さな両手を顔の前に突き出して手を合わせ、
ムスメは、
小さな両手を顔の前に突き出して手を合わせ、
拝むようにこう言いました。
「ママの目が白くなりますように!!お願いします!!」
気分も落ち気味ですが、
体調も落ち気味です。
目が黄緑色なのは、黄疸が出ているからです。
3週間ほど前から、徐々に出てきました。
黄疸は、色が変わる以外の自覚症状がないのですが、
やっぱり、人様に顔を見せるとなると、ぎょっとされます。
外出時は(ここのところ、家を一歩も出ていませんが)
3週間ほど前から、徐々に出てきました。
黄疸は、色が変わる以外の自覚症状がないのですが、
やっぱり、人様に顔を見せるとなると、ぎょっとされます。
外出時は(ここのところ、家を一歩も出ていませんが)
帽子を目深にかぶり、ごまかしてます。
旦那からは、
「サングラス、かけない?」と、
軽めに誘われていますが、
私が何をどー頑張っても、絶対に似合わないのがサングラス。
しばらくは、カメレオンな私を受け入れてね。
ムスメの祈りが届くように、
私も精進しなきゃね。
9月に抱えていた久しぶりの歌の本番、
涙をのんで、昨日、キャンセルの電話をかけました。
私に一番最初に歌を教えてくださった先生の還暦のコンサートで、
9月に歌う予定だったのです。
久しぶりの歌のステージと、
久しぶりの歌のステージと、
先生と一緒に「手紙の二重唱」を歌うことを
ココロから楽しみにしていました。
先生は、「がんばってね」とエールを送ってくださいました。
鼻水ぐちゃぐちゃになりながら、
鼻水ぐちゃぐちゃになりながら、
「お祝いに行けなくなってごめんなさい」と、
何度も電話口で頭を下げました。
もう、何度目でしょうか。
ビョーキにより、夢をわしづかみにしてかっさらわれるのは。
人生は思い通りにはなりませんが、
人生は思い通りにはなりませんが、
それでもしぶとく、私は生きるのです。
人生は、時には過酷だけれど。
それでも人は生きる、鮮やかに。
「ママのカメレオン、治りますよーに!」
まだまだ手だてはいっぱいあるし、私には味方がたくさん。
本当に、本当に、みなさんいつもありがとう!
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