丸ごといただく「全体食」
※本日の「はなみそ番外篇」は娘が担当します。
私が小学生の頃、父が仕事で遠方に出張する際には、福岡県宮若市に住む祖母が手料理持参で泊まりに来てくれました。
「千恵さんも好きやったとよ。ばあばが作り方を教えたっちゃけん」。そう言って、祖母が食べさせてくれたのは、レンコンとイリコのきんぴら。私も作り方を教えてもらいました。
レンコンは薄く切り、イリコは丸ごと。多めのごま油で炒めながら、砂糖、しょうゆ、みりんなどで味付けし、いりごまを散らせば完成です。ポイントは、イリコを炒める前にからいりしておくこと。そうすることで魚特有の生臭さが消え、香ばしく仕上がります。
亡き母が残してくれた栄養学の本「食べ物さん、ありがとう」(川島四郎著)には、小魚の「全体食」について次のように書かれています。魚の内臓に含まれるビタミンDは「カルシウムの運び屋」。カルシウムを体内に取り込むときに必要不可欠なものなのです。
成長期の私たちは自分の骨を強くしなければなりません。つまり、小魚の身だけではなく、骨や内臓も丸ごといただくことはとても理にかなっているわけです。
レンコンとイリコのきんぴらは、祖母から母、そして私へと受け継がれてきた「命のレシピ」。ずっと先の世代まで残したい一品です。(安武はな)
レンコン230㌘、イリコ30㌘、ごま油大さじ2、しょうゆ大さじ1、みりん大さじ1、砂糖小さじ1、タカノツメ(輪切り)適宜、いりごま適宜
【作り方】
①イリコをフライパンに入れ、弱火で4~5分からいりし、別の容器に移しておく。
②よく洗ったレンコンを薄く輪切りにする。
③フライパンにごま油を入れ②を中火で炒める。
④③に①とタカノツメを入れる。炒めながら、砂糖、しょうゆ、みりんを回しかけ、全体に味を付ける。
⑤④を皿に盛り、いりごまを散らす。
今日は、きんぴらの作り方。
先生いわく、「落ち着いた心で食材と向き合うのです。だから、マクロビオティックの料理では、あんまり食材や器具をがちゃがちゃさせて調理しません」とのこと。
これまで、きんぴらは、材料をが~っと切って、高熱でぱ~っと熱して、ざざざっと炒めて作るものだと思っていました。
この作り方だと、砂糖を使わなくても、ごぼうとニンジンの甘みがたっぷりと引き出されます。おいしいよ!
まずは、ごぼう。

一日外に置いても全然ひからびないごぼうには、何らかの細工がされていると思うべし。
包丁やたわしで、がしがしこすったりすると皮が剝がれます。
皮に最も栄養があるのだ。
だから、土は手や布で丁寧に洗い流します。

しっぽが細い物は、そのまま細く切るだけで大丈夫。
太いところは、このように切ったものを、さらに細く切ります






天地返しを繰り返します。


材料が3分の1くらいひたるまで水を注ぎます。
ふたをして、水分が飛ぶのを待つことしばし。

