「生きた証を残したかった」
彼と初めて出会ったのは、2017年秋。
文藝春秋が企画した対談だった。
清水さんの妻奈緒さんは2015年、29歳で他界。
そのとき、長男は生後112日だった。
清水さんの綴った「112日間のママ」(2016年、小学館)は大きな反響を集めた。
本を書いた理由は、僕も清水さんも「妻の生きた証を子に残したかった」からだ。
僕たちは、文藝春秋本社の会議室で、初めて顔を合わせたのだが、互いに「初対面とは思えない」と口にするほど、対談は滑らかに進んだ。
あらためて、文藝春秋の2017年12月号の特集「命がけでわが子を産んだ妻たち」に目を通した。対談の最後は、こんなやりとりで締めくくられていた。
安武「娘が嫁に行ったらどうしよう・・・。僕は1人になっちゃいますよ。清水さんはお子さんが小さいからまだまだ先だろうけど、僕は案外すぐですよ」
清水「そのときは僕がいくらでもお相手しますよ。一緒に喜んで、一緒に泣きましょう」
4年後、僕は清水さんの住む大阪に出向き、「妻亡き後」を生配信で語り合った。
それぞれ、大阪と福岡を拠点に講演や執筆活動をするシングルファーザー。
いずれ、清水さんにも、僕が福岡で行う活動に参加してもらうつもりだ。
一人親になって14年。「頑張れ」と声をかけられることに抵抗を感じる時期もあったが、いま、清水さんとは、互いに「頑張ろうな」と声をかけ合うことができる。
「わかりあう」って、そういうことだと思う。
清水さん、来年の夏は子どもたちと一緒にウェイクボードやろうね。
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