使える薬が減っていく
再発・ 転移したがんの治療で目指すのは、多くの場合、初回の治療とは異なる。
治療の目標には「がんを治す(根治)」「がんの進行を抑える」「がんによる症状を和らげる(緩和)」ことがあげられる。
初回の治療では、多くはがんが臓器の中にとどまっているので、根治を目標にして治療を行う。再発や転移したがんの場合でも根治を目指すことができる場合もあるが、ほとんどの場合は困難で、「進行を抑える」か「緩和」が治療の目標になる。
千恵が再発・転移したとき、当時の主治医は「がんが全身に散らばっている可能性があり、手術はやっても意味がない。抗がん剤が有効」と言った。
しかし、長い期間、抗がん剤が有効かといえば、そうではなかった。
長期戦になればなるほど、患者側が不利になるのだ。
いずれ、がんの耐性が強まり、薬は効かなくなる。
そこで、別の抗がん剤を使う。
最初は効くが、しばらくすると、また効かなくなる。
使える抗がん剤がどんどん減っていった。
2008年6月11日、「治療方法がありません。もって今月いっぱい」と主治医に告知された。
僕は在宅医に緩和ケアを依頼し、自宅での食事療法に一縷の望みをかけた。
日を追うごとに千恵の容態は悪化した。
最後は、神に祈った。
結局、神に願いは届かなかったが、
千恵は、多くの友人知人に支えられた。
S先輩も、そのひとりだった。
ドタンバの神頼み(2008年5月19日)
大好きなSさんから、本をいただきました。
本屋で他の本を買おうと思っていたのに、この本が目に留まり。
なぜか、その時に、私のことを思い出してくださったそうです。
ありがたや~
ありがたや~
信じる者は、救われるとかなんとか。
私も、目には見えないけど、神様、信じてます。