はなちゃんのみそ汁 番外篇

亡き妻のブログ「早寝早起き玄米生活」アーカイブから

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結婚を夢見て亡くなった乳がん患者とテディベア

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ゆめみんちゃん

亡き妻千恵が参加していた乳がん患者の会がある。

メーリングリストの「テディベア」。

そこで、千恵は同世代の多くの患者と知り合った。

わが家を訪ねて来た人もいる。

ハンドルネーム「ゆめみん」ちゃん。

千恵が他界した2年後の2010年、彼女も38歳で旅立った。

 

彼女の実家、広島にはなと2人でお悔やみに行った。

ご両親から「これを受け取ってほしい」と小さなアルバムを手渡された。

開くと、ゆめみんちゃんのウエディングドレス姿の写真が目に飛び込んできた。

ゆめみんちゃんは、どんな気持ちで撮影に臨んだのだろうか

両親には内緒で、写真館で撮影したそうだ。

「結婚したかったんだろうね」

そう言って、お父さんは涙ぐんでいた。

酸素ボンベを持って福岡を訪れた彼女。ご両親が驚かれるほど、もつ鍋をたくさん食べてくれた

アルバムには、僕が好きだった元プロ野球選手工藤公康さんの言葉が記してあった

ゆめみんちゃん。こちらこそ、ありがとう

自ら命を絶つ人がいる。

どうか、生きたくても生きることができなかった人のことを想像してほしい。

「命は大切に」。口で言うのは簡単。伝え方も難しい。

「お前に何が分かるか」と言われようが、言い続けたい。

 

以下、本日紹介する千恵のブログ。

ゆめみんちゃんと出会うきっかけになった「テディベア」の話。

 

乳がんMLテディベア(2007年5月15日)

 

こうしてブログを書いているものの、乳がんの患者さんに役に立つようなお仕事が、いっちょんできとらん(全くできていない)私。

少しは仕事せないかん。
 
乳がんになった時、25歳だった私は、途方にくれていました。
何故なら、病院の乳がん患者さんのほとんどが、若くても30代前半か40代以上の方ばかりだったから。
 
主治医も、「あんたは若すぎる」と。
術後の妊娠、出産のケアも、「前例がない」とのことで、あんまりぱっとしませんでした。
乳がん患者にとって、自分の病気を知ることと情報交換は、必須です。
 
そこで私が出会ったのが、ネット上の情報交換場所でした。
乳がん患者のための、ML(メーリングリスト
「テディベア」

teddybear.sakura.ne.jp

 
乳がん患者と医療従事者が意見交換できる貴重な場所です。
メンバーは、比較的若い患者(20代~40代)が中心。
私が入会した7年前の会員数は、確か、200〜300人程度だったかと記憶しています。みんな顔見知りのような感覚で、ハンドルネーム(パソコン上の仮の名前)で呼び合って仲良く情報交換していたことを思い返します。現在は、覚えることができないほど会員数を増やしながら成長中。
 
ここで、20代の多くの患者さんと出会いがありました。
中には、19歳、21歳と、自分よりも若い人たちがいることも知りました。
術後に、結婚、出産を経験されている方がたくさんいることもわかりました。
結婚、出産を夢見て、頑張っている人がたくさんいることも。
 
この会を立ち上げられた「ひだまりさん」は、残念なことに数年前に亡くなられましたが、ひだまりさんの遺志を引き継いで、現在も会員数名が管理運営して続行中。
病院の情報、治療方法のこと、薬のこと、脱毛の苦しみ、結婚のこと、出産のこと、免疫食事療法やレシピ、子育てのこと、リンパ浮腫のケアや悩み、ウィッグの情報、精神的なケア・・・。
同じ悩みを抱えている人たちと、また、医療従事者の貴重な意見を聞けること。ネット上ではあるけれどリアルタイムでお話ができることは、当時の私にとってかなりの勇気の源となりました。
 
脱毛して外出もできず、ひとり暗く沈んだ日々でも、パソコンの前に座って相談し、回答を得られるだけで励まされる日々でした。
2、3時間待ち3分診察が当然だった病院や、患者のちょっとした疑問を聞く余裕さえなかった医師との出会いもありました。そこではできなかったケアが、ここで受けられたことに、深く、深く感謝しています。
また、ネット上の人たちが連絡を取り合い直接会うこと=オフ会なども、ここで初体験。福岡や全国で、同じ病気で闘っている多くの仲間と知り合うことができました。
病状や状況は違っても、同じ病。結びつきは強いです。
互いに励ましあいながら、過ごしてきました。
 
今日も、その中の仲間のひとりからメールが。
彼女の現在の状況は、大変厳しい。
転移の病巣は肺と骨。症状も出ています。
体が痛い。息が苦しい。歩くことができない。
普通の生活ができない。
酸素ボンベ、輸血、胸水を抜く、モルヒネ抗がん剤投与。
毎日、苦しみ、もがいています。
 
今の私に、何ができるでしょうか。
何もできない。
祈ることしか。
悔しい。
 
乳がんは、早期発見で治る病と言われています。
でも、この7年間に直接会った友達も、会えなかった方も。
たくさんの仲間が天国へ旅立ちました。
 
あっという間に。
 
この前、電話で元気な声を聞いたのに、1カ月後くらいに電話したら、ご家族の方が出られて、「先日亡くなりました」とか。
そんなことも、たびたび経験しました。
 
決して、油断をしてはいけない病であることも、わかっています。
でも、前を向いて歩まなければ。
今日もまた、多くの人が、大きな不安を抱えながら病院で告知を受けている。
20人~30人に1人が乳がんになる時代。
10代でも20代でも、なる人はなる病。
 
セルフチェックは忘れずに。