あのころが懐かしい
「これから友達とカフェでランチを食べてくるね。そのまま、アルバイトに行くから、晩ご飯もいらないよ」
午前中、娘はそう言って家を出た。
家事は終わった。
急ぎの仕事もない。
天気は良いが、外にも出たくない。
ぼんやりとスマートフォンを触っていると、昔の写真が出てきた。
11年前の正月。
あのころの娘は、いつも、どこでも、パパと一緒でなければだめだった。
まとわりつく娘に「正月ぐらいゆっくりさせてよ」と言って、僕は自宅でゴロゴロしていた。
今なら、喜んで、デパートの初売りに付き合うんだけど。
ブーツだって買ってあげる。
ところが、大学生になった娘をドライブに誘うと「一緒に遊んでくれる彼女つくったらどう?」と突き放される。
それが健全な親子関係。娘の心が正しく育っている、ということも分かっている。
分かっているが、まとわりついてくれた、あのころが懐かしい。
どちらさまも、下のボタンをうっかりクリック。
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