はなちゃんのみそ汁 番外篇

亡き妻のブログ「早寝早起き玄米生活」アーカイブから

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名前は「はな」

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誰からも愛される人に

結婚して2度目の年を越した2003年2月20日
出産予定日を12日過ぎても産まれる気配はなく、医者は陣痛促進剤を準備していた。
そのとき、急に激しい痛みが千恵を襲った。
午前8時、分娩室に入った。ぼくは千恵の手を握り、腰をさすり続けた。
担当の助産師さんが千恵に語りかけた。
「私もあなたと同じ病気だったの。手術した後に赤ちゃんを産んだのよ」
何という巡り合わせだろうと思った。千恵は苦しみながら、助産師さんの言葉にうなずいた。
 
午前9時25分、新しい生命が誕生した。3380グラムの赤ちゃん。
千恵は命をかけて出産した。
乳がんの発覚から2年半がたっていた。
赤ちゃんは元気な産声を上げた後、傷跡のない、千恵の右側のおっぱいに吸い付いた。
その傍らで、ぼくはずっと泣いていた。
 
娘の名前はすぐに決まった。平仮名で「はな」と名付けた。
ぼくたち夫婦は病気をした。病気が、1人では生きていけないことを教えてくれた。
支えてくれた周囲の人たちの言葉や行動に「愛」を感じた。
花は愛すべき人に贈る。受け取った人は、花に心が癒やされる。
誰からも愛され、人を癒やし、優しい女性に育ってほしい。
娘の名前には、そんな思いを込めた。
 
「はなちゃんのみそ汁」(文春文庫)より抜粋
 

2003年1月、毎日新聞に掲載された平野美紀記者のコラム
 
ステキなお花屋さん(2008年2月8日)
 
私は、お花が好きです。

正確に言えば、だんだん、好きになってきました。

母が生け花の先生だったため、小さい頃から気がついたら家には必ず花が飾ってありました。
なのに、「あって当たり前」の存在だったからか、お花には成人するまで、目覚めることがありませんでした。


今は、本当に大好き。
 
花ほど人を何の見返りもなく、無条件に癒してくれる存在はないのではないでしょうか。
自分や家族のためにも時々は買いますが、私にとっての「花」は、大切な人に届ける存在。

そんな昨今、とっても素敵なお花屋さんに出あいました。


それは、家からほど近いところにある。
 
Andj(アンジー)さん。
 
そこにお店があったのは知っていたのですが、入ったことはありませんでした。


この前、大切な人にお花を贈ろうと思い、初めてお店にお邪魔してきました。

優しそうな笑顔の素敵な女性がおひとり。
それから、メガネをかけた優しい眼差しの男性もいらっしゃって、丁寧に対応していただきました。
 
お店の外観も、お店の中も、花が最高に綺麗に見えるように、センスよくまとめてあり。
アレンジメントや花束の作品集は、パソコンの画面や写真で保存してあって、その中からイメージを選ぶこともできたりして・・。

どれを見ても、本当に素敵な花束。
花の名前や「今の季節なら、このお花がキレイで長持ちしますよ~」などアドバイスも的確。
すっかり安心。全てお任せにして、お花は届けてもらうことにしました。
 
予約だけ済ませ、会計していたら、「これ、事前に予約してくださった方にプレゼントです。カプリという名前のチューリップなんですよ」と、赤いチューリップを2本、笑顔で手渡してくださいました。


花束を予約して、お花をプレゼントしてもらったのは初めての経験。
ちょっとしたサービスでしたけれど、本当にうれしかったです。
しかも、プレゼントのお花は、新鮮かつ上等。
あれから1週間以上経過しましたが、今でもつぼみをキープ。
毎朝、洗面台で私を癒してくれています。

素敵なお花屋さんは、他にもたくさんありますが、
「また行こう。大切な人に贈るお花は、ここで買おう」と思いながらお店を後にしました。


Andjからの帰り道、ふと、去年のことを思い出しました。
去年の今ごろ、アレンジメントを教えてくれていた先生が、
「ものすっごくセンスの良いお花屋があるから行ってみて」と、ある花屋さんを紹介してくださいました。


先生があれだけ褒めるんだから、と期待を胸に、そのお店に行きました。


珍しいお花をそろえている素敵なお店でした。
わくわくしながら、「こんにちは~」と声をかけながらお店の中に私が入っても、男女2人の店員さんは、無言でもくもくと作業をしていました。
 
しばらく店内で待っていたのですが、反応なし。

こちらから、「花束をお願いしたいのですが・・・」と、声をかけたところ。

「今、雑誌の撮影用のリースを作っていて、これからも予約がたくさんつまっているのでできないんです。作ったのでよければ、これがありますけど」と、ぶっきらぼうなお返事。

確かに、作られた物は、とってもセンスの良い花束でした。
私も、急いでいたため、「じゃあ、これでお願いします」と回答。

会計を済ませると、店員さんは、すぐにリースの作業を再開。

何とも後味の悪い思いを抱えて、そのお花屋さんを後にしました。


お忙しいのは、よく理解できました。
センスが良いのも、よくわかりました。
けれど・・・。


それから、そこには行っていませんし、これからも行かないでしょう。
 
偉そうなことが言える立場ではありませんが、人に夢を与えるお仕事で無愛想は致命傷。
そう感じた日。


お客様に「もう二度と行かないだろう」と思わせるか。
「また絶対行こう」と思わせるか。
 
運命の分かれ道。


もうすぐバレンタインデー。
チョコもいいけど、Andjさんにも足を運んでみてください。
 
メガネと笑顔の似合う素敵な男性が、きっと、あなたに夢を与えてくれますよ。
 
 
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