何をするために生きているのか
千恵が生前、こんなことをよく話していた。
「死についてあまり考えたことがない、というのは、生きることについて真剣に考えたことがない、というのと同じこと。がんになったおかげで自分は何をするために生きているのかを考えるようになった」
千恵は、乳がんで亡くなったジャーナリストの千葉敦子さん(1940〜1987)の本を愛読していた。
きっと、影響を受けていたに違いない。
よく死ぬことは、よく生きることだ。
僕も千恵のように、自分らしく生きて、自分らしく死んでいきたい。
以下、千恵のブログ。
銀行にお勤めの方ごめんなさい。悪気はありません。セキュリティのためであることはよく理解しております。
よりよく死ぬ(2007年3月27日)
午前中、銀行回りをしてきました。
以前からやっておきたかったことを全てやり遂げたので、達成感を感じています。
何をしたかというと、暗証番号の変更。
今まで各銀行似たような数字の違う番号にしていたのですが、入金以外にほとんどATMを使わないこともあり、2、3カ月に一度ほど「現金引き出し」で使う際、「あれ? どっちだったっけ?」と機械の前で迷うことしばしば。後ろの人の視線も痛いし。そんなこともあり、各銀行全て同じ番号に変えてきました。
悲しいかな、記憶力の低下を感じます。
もし、若年性アルツハイマーになったら?(なりかけてるけど・・・)
もし、思いがけない事故で死んだら?
それと、がんは治すつもりでいるけれど、常に「もしも」の心配は、ひそかに持っているものです。
家族を突然亡くした際、残された家族による故人の後片付けは、父を亡くした際に嫌というほど経験しましたので。
特に、銀行の融通のきかないことといったら!!
今日も、ひとつはATMで無事にできましたが、もうひとつの銀行は、窓口まで行き、身分証明書のコピーを取られ、現在持っているカードの破棄までさせられてしまいました。カード、再発行です。それだけ、世の中には悪巧みをする人がいるから厳しくなるのでしょうけれど。
それで、家族に迷惑がかかるので、自分と家族が覚えられる範囲の番号にしたのです。
それは・・・
あぶない、あぶない。
思わず、流れに任せて書いてしまうところでした。
7777とか
4649!
でないことは、確かです。
まあ、私の通帳なんて中身は大したことないですけどね。
でも、例えば、通帳に100円しか残っていなかったとして。その通帳を抹消したい場合、家族全員分の戸籍謄本とか住民票とかなんとかかんとか、本当に、手続きでいくらかかるかわかりませんから。
通帳管理は、毎年の見直しをおすすめします。
それから、人様の趣味に対していらん世話ですが、ボートは持たない方がいいですね。
父は、釣りが大好きだったので、小さな(2人くらいしか乗れない)プレジャーボートを持っていましたが。
その後処理が、本当に、嫌が100くらいつくほど大変でした。誰かにあげるにも、相続税なるものがかかるんです。
小さなボートでこれです。
ボートは、自分が死ぬ前に、どうか潔く処分してください。
死ぬ準備はしない方がいいですけれど。
遺書は、書いておいた方が無難だと考えます。
せめて、自分の葬式をどうして欲しいか、墓は?骨は?とか。
ボートの処理には困りましたが、その点において父は、家族に内緒で遺書を書いていたので、ものすごく助かりました。
葬式は派手にするな。墓は特にいらない。(祖父の意向で結局分骨して現在は墓にも骨がありますが)骨は分骨したり、大好きな海にまいてほしいと。
その通りにしています。
こんなことを書いていたら、植木等さんが亡くなりました。
遺言に、「密葬にしてくれ」とあったそうです。
死んだ後にどうしてほしいかを言い残すことは、大事なことです。
人は、おぎゃあと生まれてから、日々、死に向かって歩み続けます。
「死んでから何とかなる」では、遺された大切な家族がとっても困ります。
生きると死ぬは、常に背中合わせ。
自分らしい生き方と死に方を、たまには考えたいものですね。
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