はなちゃんのみそ汁 番外篇

亡き妻のブログ「早寝早起き玄米生活」アーカイブから

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笑ってはいけないと思うと笑いが止まらない

妻のルポルタージュ「ネタ探しの旅」(後編) 僕の手術は無事に終わったが、その後も災難続きだった。 入院の付き添いを面倒くさがっていた妻が、なぜか夕食まで付き合ってくれるようになった。 その理由は‥。 面白い病院(2007年3月2日) 昨日、1時間程度で…

暮らしに笑いを

ユーモアで包み込んだ指摘 こいつ、なかなかやるなあ。 僕の入院をネタにした千恵のブログを読んで、そう思った。 当事者にとってはつらい話であるが、当事者が読んでも笑えるのだ。 ディスられていることを感じさせないユーモア。 手術の不安が薄まり、免疫…

笑いの効能〜娘が病を忘れさせてくれた

家族の中心に、はながいた 結婚して2度目の年を越した2003年2月20日。 午前9時25分、新しい生命が誕生した。 乳がんの発覚から2年半がたっていた。 赤ちゃんは元気な産声を上げた後、傷跡のない、千恵の右側のおっぱいに吸い付いた。 その傍らで、僕はずっと…

エプロンに込めた母の思い

今死ぬ気はないから、まだ死ぬ準備はしない わが家には数え切れないほどのエプロンがある。 ほとんどが子ども用。身近な大人たちが、はなのために買ったものだ。エプロンは、千恵が「食べることは生きること」を、はなに伝えようとした象徴でもある。 2007年…

共感が、人にどれだけの力を与えるか

千恵がブログを書いた理由 突然だった。 2006年12月。千恵がブログを書く、と言い始めた。 タイトルは「早寝早起き玄米生活〜がんとムスメと、時々、旦那」。ハンドルネームは「六本松さくら」。「六本松」は福岡市の自宅近くの地下鉄駅名。隣の駅が桜坂だか…

妻、「学問のすすめ」を3歳の娘に読み聞かせる

成績は悪くてもいいが、勉強嫌いにはなってほしくない 僕は小学生のころ、「福沢諭吉になりたい」という作文を書いて、新聞に掲載された。 おそらく、伝記を読んで感動しまくったのだろう。 その作文を引っ張り出して、読み返した。脳みそがシンプルだなあ、…

ハゲとかつらに関するがん患者の考察

人がどう思うかではなく、自分がどう思うか 昨春、千恵の遺品を整理した。 服はかなりの量を処分したが、捨てられないものもあった。 そのひとつが、かつらだ。 目にしっかりと焼き付いているからだろうか。 今もタンスの中に保管している。 僕の頭がハゲた…

前向きな言葉を力に

気合を入れ直して 昨夜は、友人たちが新刊「はなちゃんのみそ汁 青春篇」の出版パーティーを開いてくれた。 コロナ感染者が増えつつある中だったので、「宴会は日中」「2時間以内で終わる」「密を避けて少人数」の縛りを設けた。福岡市近郊に住む約30人が…

抗がん剤を選択するということ

車の中で泣いた 九州がんセンターで「あと3カ月で寝たきりになる」と診察されたとき、駐車場に止めた車の中で、僕たちは今後の治療について話し合った。 僕は、あのとき確かに「主治医の助言の通り、やってみようよ」と言った。 千恵は泣いた。 千恵は、未来…

会いたい人に会いに行く

これまでありがとう。これからもよろしく。 昨夜、東京から福岡に戻った。 今回の目的は、新刊「はなちゃんのみそ汁 青春篇」のプロモーション活動。 娘と2人で行く東京は久しぶりだった。 24時間テレビでお世話になった日本テレビの次屋プロデューサー、…

朝食の効果

梅醤番茶 「はなちゃんのみそ汁 青春篇」のプロモーション活動で娘と東京に来ている。 2泊3日の滞在で、4月1日のきょうが最終日。 昼夜は、久しぶりに会う仲間たちとの食事会が続いた。 先週も3日間、新潟の知人宅にお邪魔し、海の幸と地酒をたらふくいただ…

妻の雑煮、娘の雑煮

鳶が鷹を生んだのか どうしてあのとき、あんなひどいことを言ったんだろう。亡き妻千恵のブログを読み返していると、反省の連続だ。 千恵が、市販のルウを使わずに小麦粉と牛乳でクリームシチューを作ってくれたことがあった。僕は一口食べて「まずい」と言…

後悔、先に立たず

東京ディズニーランドに行っときゃよかった そうだったな。家族で東京ディズニーランドに行きたいって、君はずっと言ってたよね。 「今は治療優先。遠出は病気が完治してから」と僕が先延ばしにしていた。 悪かった。 まさか、死んでしまうとは思ってなかっ…

心に残る妻の三線

何かが足りないバーベキュー 桜が咲き始める季節が訪れると、わが家のバルコニーは毎週、バーベキューで賑わう。 気の合う仲間が集まり、炭火を囲む。楽しい。でも、何かが足りない。 千恵が弾く三線の音色と歌が聴けないからだ。 バーベキューの後半、千恵…

ピンチはチャンス

一度は手術を拒否 乳がんを発症した千恵は、勤務先に近い北九州市立医療センターに入院した。 手術前日、千恵の姉が泣きながら僕に電話をかけてきた。 千恵が手術を拒否し、退院するというのだ。 頑固な一面があった千恵。 両親やきょうだいは、言い出したら…