はなちゃんのみそ汁 番外篇

亡き妻のブログ「早寝早起き玄米生活」アーカイブから

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見せたくなかった胸の傷

由布院玉の湯 千恵は大分県の由布院温泉が大好きだった。 恩師の別荘があったため、学生時代は友人たちと、よく旅行に出掛けたらしい。 25歳で乳がんの手術をしたこともあって、結婚後は温泉に行く機会が減った。 由布院にも、家族3人で行ったことがなかった…

僕たちは家族だから

どんなに小さな心配事でも 妻は体に異常を感じても、僕に報告しないことが多くなった。 心配させたくなかったのだろうが、 「しまった」と思ったときには手遅れになることだってある。 骨と肝臓に転移が見つかった時もそうだった。 「肝臓の辺りを手で触った…

亡き妻が遺してくれた居場所

音楽を通して故人を偲ぶ 娘に歌う姿を見せておきたかったのだろう。 闘病中の千恵は歌うことを決意した。 2007年10月20日、「いのちのうた」。 今も年に一度、福岡市・親不孝通りのライブハウスで開催している音楽イベントだ。 2006年1月、骨肉腫で亡くなっ…

妻と娘を支えてくれた友人たち

彼女の顔を思い浮かべ 昨日、高校時代の友人と遊びに出かけていた娘から、うれしいメッセージがLINEで届いた。 その友人が、僕のブログを毎日読んでくれているというのだ。 先日投稿した「そこにいるだけでいい」(8/3)を読み、「めっちゃ泣いた」そうだ。 …

毛がなくても、おしゃれはできる

天然素材のストールに着目 妻千恵が、ナベルビン(抗がん剤)を点滴で投与するようになって、脱毛はなくなった。 だが、毛髪は短いまま。 亡くなるまで、長く伸びることはなかった。 つらかっただろうと思うが、そのことを悔やんだり、不満を口に出すことは…

おにぎりいろいろ

レシピ本の妄想膨らむ 娘が小学生の頃、「何が食べたい?」と聞くと、いつも返事は「おにぎり」。 おかげで、パパは冷蔵庫の残り物で幾種ものアレンジおにぎりを作れるようになった。 ボリューム満点。娘作「肉巻きおにぎり」(2015年2月27日) 娘も、自分で…

指輪を忘れた結婚式

リハーサルに遅刻 2001年8月5日、僕たちは、カトリック古賀教会で結婚式を挙げた。 式当日は、トラブル続きだった。 午前中、僕はテレビのアビスパ福岡の特別番組にかじりついていて、結婚式のリハーサルに遅れてしまった。その上、自分の指にはめる結婚指輪…

「拒否した」と指摘される「標準治療」について

テレビドラマはフィクションです。 千恵が「がんの標準治療を拒否した」と指摘されることが多々ある。 他にも「あの家族は、現代医療を否定している」という飛躍したコメントや、娘が整形手術をしている、との書き込みを見かける。 いずれも匿名。僕たち家族…

妻の執念、娘の“財産”

継続は力なり どんなに些細なことであっても、 継続したこと、行動したことが結果につながると達成感がある。 お金では買えない価値がある。 もし、それが誰かに喜んでもらえたり、世の中のためになるなら、これほどの幸せはない。 気持ちいい。楽しい。 そ…

「私、絶対負けんばい」

神様がくれた宝物 「麹菌は、高温多湿の日本だからこそ存在する、神様がくれた宝物。だから、地元の麹菌でつくった発酵食品を食べることこそが、最も日本人の体に合っとる」 種麹屋「椛島商店』(福岡県みやま市)の故・椛島千枝子さんの言葉だ。 僕たちは、…

21回目の結婚記念日

心地よい二日酔い 昨夜は、福岡市のビルの屋上で暑気払い。 妻の追悼コンサート「いのちのうた」で、お世話になっている音楽仲間たちに誘われた。 僕なんかが「仲間」と言っては、厚かましいかもしれない。 知る人ぞ知るロック界のレジェンドたちである。 飲…

「生きていれば、前に進める」

あるプロボクサーとの出会い 元プロボクサー坂本博之さんをご存知だろうか。 福岡県川崎町生まれ。 太い骨格から放たれるパワーのあるパンチで「平成のKOキング」と呼ばれた。 坂本博之さん(2006年10月19日) 物心ついたころには両親が離婚。 預けられた親…

講演はロックだ!

掛け合いが心地よい 一昨日(8/2)は、鹿児島市で講演会。 暑かった。 主催のグリーンコープかごしま生協(福祉委員会)のスタッフも熱かった。 「若いころ、深夜残業が多く、食生活もめちゃくちゃで体を壊した。2008年に妻千恵をがんで亡くし、14年間、父子…

そこにいるだけでいい

何に不満があるんだ 大切な人がそこにいる。 生きている。 そこにいるだけでいい。 何に不満があるんだ。 それだけで十分じゃないか。 そんなことを気づかせてくれた妻のブログ。 15年前、職場でこっそり読んで、涙が止まらなかったことを思い出した。 千恵…

24時間テレビとトイレの神様

アイドルと歌う娘 武道の聖地、日本武道館。 剣道をやり始めた小学4年の頃から、ずっと憧れていた。 いつかはここで試合をしたい、と。 だが、その夢を果たせぬまま、 2000年10月の九州実業団剣道大会を最後に37歳で現役引退。 小学6年の娘は、そこがどこな…