はなちゃんのみそ汁 番外篇

亡き妻のブログ「早寝早起き玄米生活」アーカイブから

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2024-01-01から1年間の記事一覧

両親のダイヤモンド婚式

初めて見た父の表情 両親のダイヤモンド婚を祝った。 結婚60周年。すごいことだと思う。 2人とも農家の生まれ。 結婚後、福岡県宮若市の福丸商店街で写真館を開業した。 保証人を頼まれた相手に夜逃げされ、多額の借金を背負ったこともあった。 ちょうど、そ…

16年ぶりに娘と食べた糸島のうどん

思い出の産直市場 妻の墓参りに行く途中、娘と一緒にうどんを食べた。 そこは、福岡県糸島市の産直市場「伊都菜彩」にある食堂。 妻が生きていたころ、家族で何度も通った場所だ。 だが、娘は、まったく覚えてなかった。 うどんを食べた後、「何か思い出した…

亡き妻が好きだったリンゴ

春の彼岸 娘がリンゴをむいてくれた。 先日、娘が作ったアップルパイの残りのリンゴ。 幼いころ、病気で寝込んだときに母がリンゴをむいてくれた。 娘が熱を出したとき、僕もリンゴをむいた。 病床の妻には、すりおろしたリンゴを食べさせた。 亡き妻が好き…

心が弱っているとき、会いたくなる人

「112日間のママ」×「はなちゃんのみそ汁 心が弱っているとき、会いたくなる人。 大阪在住、フリーアナウンサーの清水健さん。小学3年生の男の子を育てているシングルファーザーだ。 清水さんは、9年前、妻の奈緒さんを乳がんで亡くした。奈緒さんは、妊娠…

娘の彼氏が残した粉末スープに救われた話

日韓合作の塩ラーメン 食育講師だって即席麺を食べたくなるときがある。 学生時代は、随分、お世話になった。 今日、なぜか無性に食べたくなって、台所で即席麺を探した。 だが、見つからない。 夜な夜な、娘の彼氏のねすたが食っているので、在庫が切れたの…

娘の彼氏はやさしかった

パパは同じ話を何度もする 娘とねすた(娘の彼氏)とご飯を食べていた夜。ねすたが観葉植物を探している、という話になった。わが家にも、観葉植物がある。はなが生まれたころから、ずっと窓辺にパキラを置いている。 「16年前、ママがパキラの枝を全部切っ…

娘の変な癖

真夜中のお菓子作 娘には変な癖がある。 真夜中にお菓子を作るのだ。 でも、そのクオリティーは高い。 昨日は、深夜2時に台所でごそごそ。 完成したアップルパイ。 パパの分も残してくれていた。 今日のお昼に食べた。 甘酸っぱくて、サックサク。 リンゴの…

亡き妻のブログに影響を受けた母親との出会い

変わるべきは子どもではなく・・・ 昨日、愛知県日進市で話をさせてもらった。 三重県四日市市から駆けつけてくれた2人の母親がいた。 母親の1人、赤星純子さんは、16年前、亡き妻千恵のブログに出会って「人生が変わった」と打ち明けてくれた。 それまで、…

名古屋の夜はこれ一択

しあわせな夜 新幹線で名古屋に到着。ホテルで担当者との打ち合わせを終え、夜の街を1人うろうろ。 ネオン街を歩いていると、良いにおいが漂ってきた。 腹が、ぐーーーっと鳴った。 入る店は決めていた。伏見駅から徒歩6分。納屋橋を渡ってすぐのところにあ…

野外ロックフェスを企画したお坊さん

熱意が人の心を動かす 妻の追悼コンサート「いのちのうた」を毎年続けてきた。 今年で17回目(2024年10月14日の予定)。 そのコンサートに数年前から家族で参加してくれているお坊さんがいる。 常福寺の堀田顕英さん。 2020年3月末、新聞社を早期退職した後…

タイから帰国し、すぐに食べたかったもの

それはタイです 福岡空港に到着後、福岡県糸島市の産直市場「伊都菜彩(いとさいさい)」に向かった。お目当ては、糸島の鮮魚。しばらく日本食から遠ざかっていたため、帰りの飛行機の中で、タイの刺身が食べたくなったのだ。 空港から都市高速に乗って「伊…

切ない気分も感じたタイ旅行

滞在中は花粉症が改善 3泊4日のタイ旅行。遺跡巡りから市場の散策、アクティビティやナイトスポットも楽しんだ。物価は安く、治安もいい。滞在中は、日本で悩まされていた花粉症も改善。充実の4日間だった。 古都アユタヤでゾウに乗って、ラジャダムナンスタ…

タイから帰国

何もかも忘れて遊んだ もう動けません。 たまにはいいよね。 おやすみなさい。 スワンナプーム国際空港のラウンジでビールを飲みながら寝落ち(2024年3月5日24時20分) hanamisosoup.com Singha(シンハー) ビール 缶 ピルスナー タイ 330ml×24本 Singha(シン…

花粉症からの逃避旅行

微笑みの国へ 花粉がつらい。 つらすぎる。 海外に逃避するしかない。 そんな思いつきでタイに向かった。 福岡空港からスワンナプーム国際空港まで、直行便で約6時間(時差2時間)。午前11時40分に離陸し、日の高いうちにバンコクのホテルに到着した。 最初…

わが家の和室は桜が満開

ひな祭り 今のマンションに住むようになって21年。 水回りをはじめ、あちこち修理が必要になってきたので、思い切ってリフォームをすることにした。 わが家の和室は啓翁桜が満開。 クロスはさくら色に張り替えようか。 考える時間が楽しい。 この景色も今年…

90歳、父は現役カメラマン

飲酒に煙草、病気知らず 3月1日は父の誕生日。 昭和9年生まれ。90歳。 父は70歳ぐらいまで、酒を浴びるほど飲み、煙草を吸いまくっていた。最近、歯が抜けて、大好きだったホルモンが食べにくくなってきたようだが、心と体は健康そのもの。国が推奨する健康…

痛みが治まらず受けた前立腺がん検診

エンディングノートを準備 場所が場所なだけに、しばらくの間、放置していたのだけど。 実は、年明けから、左側の睾丸の付け根あたりが、ずっと痛くて。 1日に3〜4回ほど鈍痛が襲っていた。 2月上旬、かかりつけ医に相談したところ、「ちゃんと検査を受けた…

命がけであなたを産んだ⑩(番外編)

生きている間にやるべきこと 3年ほど前から、それまで手付かずだった千恵の遺品を片付ける習慣が身についた。 今朝、アルバムを整理していると、学生時代の千恵の写真が出てきた。 僕と出会う少し前の千恵。 今のはなと同じくらいの年齢だろう。 大学生時代…

命がけであなたを産んだ⑨(最終話)

妻がこの世にいた証し あまりに唐突な問いだった。どう答えればいいのか。僕は一瞬、戸惑った。 娘が12歳の夏、妻の遺影を見ながら、こうつぶやいたのだ。 「ママはどうして、私を産んだのかなあ。もし、私を産まなかったら、今も生きていたかもしれないよね…

命がけであなたを産んだ⑧

子守唄は「ゆりかごのうた」 はなは、病気もせず、すくすくと育った。僕と千恵の体調も良好だった。 6月には親子3人で長崎県佐世保市のハウステンボスに行った。8月は、福岡の夏の風物詩、大濠公園の花火大会を自宅のバルコニーから眺めた。いつも、自宅に友…

命がけであなたを産んだ⑦

母になれた喜び 2003年3月29日、親子3人と犬2匹は、福岡市中央区六本松の新居に引っ越した。 千恵は、真新しいソファに腰掛け、母子手帳をうれしそうに、じっと見つめていた。はなを出産した浜の町病院は母乳育児を推奨していた。 千恵は、はなに「愛」を食…

命がけであなたを産んだ⑥

娘の名前に込めた思い 娘の名前はすぐに決まった。 平仮名で「はな」と名付けた。 僕たち夫婦は病気をした。病気が、1人では生きていけないことを教えてくれた。 支えてくれた周囲の人たちの言葉や行動に「愛」を感じた。 花は愛すべき人に贈る。 受け取った…

命がけであなたを産んだ⑤

親になる その夜、千恵は出産を決意した。 吹っ切れたのだろうか。翌日から千恵は人が変わったように明るく振る舞った。 一度は子どもをあきらめていた。そんな僕たちが、間もなく親になる。信じられなかった。 結婚して2度目の年を越した2003年2月20日。出…

命がけであなたを産んだ④

死ぬ気で産め お腹の赤ちゃんはどんどん大きくなる。産むか、産まないか。決断までのタイムリミットが迫る。本来ならば、幸せの絶頂期のはずなのに、僕たち夫婦は、かつて経験したことのない苦しみを味わった。 最終的には、実父の「死ぬ気で産め」の一言で…

命がけであなたを産んだ③

二者択一 抗がん剤の副作用で、子どもは無理といわれながらの奇跡的な妊娠。 だが実は、千恵は妊娠を望んでなかった。 がん患者にとって出産はリスクが高い。エストロゲンという女性ホルモンが卵巣から活発に出始めることで、がんが再発する可能性がある。文…

命がけであなたを産んだ②

妊娠 結婚前、千恵は主治医に「抗がん剤の影響で出産は難しい」と告げられていた。 新婚旅行先のカナダから日本に戻ると、千恵から信じられない報告があった。 「おなかにいるみたい」 2002年6月22日朝、千恵が妊娠していることが分かった。 2カ月前、カナダ…

命がけであなたを産んだ①

21歳の誕生日に はな、誕生日おめでとう。 21年前の今日(2/20)、僕たち夫婦の長女として、生まれてきてくれてありがとう。 大きな病気もせず、事故にも遭わず、よくぞ、ここまで育ってくれました。 よくぞ、今日まで生き続けてくれました。 パパも、はなの…

へそくりを見つけ出したような気分

冷凍庫の奥から板のりを発見 午前中は、愛車のメンテナンス。 朝食をぱぱっと済ませて出かけなければならない。 台所で食材を確認。 冷凍庫の奥の方から密封状態の板のりが出てきた。以前、友人からお土産にもらったものだった。炊飯器には、2人分のご飯。粗…

お叱りを受けるかもしれませんが・・・

妻の遺影に報告 僕は結婚を機に、宗教を仏教からキリスト教に改宗した。 亡き妻千恵が、カトリック信徒だったからだ。 カトリックのしきたりに詳しくなかった僕は、千恵の葬儀を終えた後、彼女が好きだったコーヒーや緑茶を遺影に供えた。それを見た義母が「…

ひな人形の収納箱から出てきた一枚の写真

何気ない日常の大切な思い出 気づけば、2月も中旬。 あと2週間ちょっとで、ひな祭り。 娘に「ひな人形を飾ろうか?」と聞いてみた。 「どっちでもいいよ」と、そっけない返事。 就活のエントリーシート作成に追われ、それどころではなかったのだろう。 何年…