はなちゃんのみそ汁 番外篇

亡き妻のブログ「早寝早起き玄米生活」アーカイブから

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健康

鼻呼吸と口閉じテープ

丸刈りに近い短髪 2000年夏から冬にかけて、千恵は、抗がん剤の副作用に苦しんだ。 吐き気、味覚障害、発熱、下痢‥。 髪の毛も全部抜けた。 2001年春、職場に復帰。 かつらは必需品だった。 同年8月5日、古賀カトリック教会で、僕たちは結婚式を挙げた。 そ…

ママが遺した命のレシピ

丸ごといただく「全体食」 ※本日の「はなみそ番外篇」は娘が担当します。 私が小学生の頃、父が仕事で遠方に出張する際には、福岡県宮若市に住む祖母が手料理持参で泊まりに来てくれました。 「千恵さんも好きやったとよ。ばあばが作り方を教えたっちゃけん…

できないことを数えるのではなく

骨転移とリンパ浮腫 15年前のちょうど今頃だった。 がんによる体への悪影響が出始めた。 骨転移による痛み、そして腕と手がパンパンに腫れるリンパ浮腫。 はなは千恵の不調に気づいたのか。 わがままを言わなくなった。 人形を寝かせ、ひとりでお母さんごっ…

妻が怒った理由

しっかり生きろ、俺 亡き妻千恵は、自分の生い立ちなどついて、滅多に話さなかったが、彼女のブログを通して、どのような環境で育ったかが見えてくるときがある。 本日紹介する千恵のブログは、怒りを爆発させた前回の続き。 自分の心と向き合い、自分の考え…

「毛が3本」の歌とブーメラン

ディープな飲み会の翌朝 週の始まり月曜日。娘の弁当を作る日だ。 昨日の飲み会があまりにもディープだったので、今朝は寝坊してしまった。 卵焼きとセセリを焼いて、昨日、のりちゃんにもらったトウモロコシご飯を詰め込んだら完成。うっかり、ブロッコリー…

玄米には「ごま塩」 みそ汁には「菌ちゃんげんきっこ」

腸活に、おすすめの一品 少食になった。 午前中に4キロ走るので、朝はたくさん食べられない。 玄米とみそ汁と糠漬けがあれば、じゅうぶんだ。 それに納豆と小魚をつければ完ぺき。 よく噛んで食べる。ご飯が、おいしい。 みそ汁には「菌ちゃんげんきっこ」を…

健康寿命を延ばす秘訣

謙虚に慎ましく生きる 昨日、2カ月ぶりに実家の宮若市に帰省した。 実家に向かう途中、脇田温泉の近くにある農産物直売所「ドリームホープ若宮」に寄った。 今は、真竹が旬。タケノコよりも小ぶりで柔らかい。 タケノコがもうすっかり竹になった梅雨前ぐらい…

陰毛疑惑

下ネタのようで実は副作用の話 今朝は二日酔い。 右ふくらはぎがつって、目が覚めた。 白湯を飲みながら、力無く、パソコンに文字を入力している。 髪はボサボサ。目はしょぼしょぼ。 「じーさんになったねえ」と、亡き妻千恵の声が聞こえてきそうだ。 さて…

おっぱいとの別れまでの道のり

無愛想な医師 亡き妻千恵が、最初に入院した病院の主治医は「無愛想な医師」だった。 とても有名な医師で、多くの患者を抱えていた。 千恵がブログ(早寝早起き玄米生活)を始める前に、大学ノートに手書きでつづっていた闘病日記がある。それを読み返すと、…

おっぱいのしこりに気がつくまで

頑張ることは「諸刃の剣」 1つのがん細胞が1センチの大きさになるまで10年から15年かかる。 しかし、1センチのがんが2センチになるには、1年から2年しかかからない。 健康な人でも1日に数千個のがん細胞はできるが、普段は免疫により壊される。しかし、老化…

おっぱいセルフチェックの方法

乳がんと遺伝 連日、飲食のアルバイトで帰宅が遅い娘。 労働やその職場から学ぶことは多い。 失敗もしながら、生きる力を身につけ、社会を見る眼差しが育つ。 一方で不安もある。 働くことはいいことだが、亡き妻千恵がわが家に根付かせた「早寝早起き玄米生…

結婚を夢見て亡くなった乳がん患者とテディベア

ゆめみんちゃん 亡き妻千恵が参加していた乳がん患者の会がある。 メーリングリストの「テディベア」。 そこで、千恵は同世代の多くの患者と知り合った。 わが家を訪ねて来た人もいる。 ハンドルネーム「ゆめみん」ちゃん。 千恵が他界した2年後の2010年、彼…

便意で目が覚める

食べ物さん、ありがとう 大切なことはユーモアをまじえて伝える。 千恵は、この本からその極意を学んだのかもしれない。 亡くなる91歳まで若さを保ち、自身の栄養学を実証した川島四郎先生の名著「食べ物さん、ありがとう」。 千恵が愛読していた川島四郎先…

希望と不安の狭間で

家族の心得とは何か 闘病中に必要なのは「生きる気力」。 千恵のそばにいて、家族として、そう思う機会が多かった。 2006年、彼女がブログを開設し、読者からの相談を受けるケースが目立ち始めた。 人の役に立ちたい。希望になりたい。 当然だろう。その気持…

代替療法への葛藤

最善を尽くした がん闘病中の千恵は、自分の体の声に耳を澄まし、「ブラックジャック」の黒い点滴とがんセンターのホルモン治療を併用した。そして、すぐれなかった体調が良くなり、肺に転移したがんがいったん消滅した。 外で見ていると、何が効いているの…

食べることは自分のためだけではない

初めての手料理はレトルト食品 千恵とつきあい始めたころ、初めて作ってくれた料理は、レトルト食品のスパゲティミートソース。「料理は苦手」が口癖だった。 そんな千恵が、肺に転移したがん治療中の2004年ごろから本格的に料理の勉強を始めた。 学びは、料…

他人の会話に聞き耳を立てるブロガー

雑談には本音があふれている ルポライターかと思った。 千恵のことである。 僕の話は右から左に聞き流し、ほとんど覚えてないのに。他人の会話は耳ダンボで聞き、文字起こしまでやっていた。しかも、メモを取っていたとしか思えないほどの正確さで。 雑談や…

「何気ない日常」の幸せ

いいことがあれば、いつも宴会 完治が難しい病気を抱えていると、本人やその家族には、日常的に不安がつきまとう。 これは仕方がないことだ。でも、ちょっとでも明るい話題があれば、家族で大げさに喜び合いたい。他人から見ると、バカみたいなことでも、そ…

なんとかなる

書くことを頭のリハビリに ふと思い立って、新たな場で再開したブログ。 続くだろうかと不安もあったが、 今日で44日連続になる。 旅先でも。 仕事でどんなに夜が遅くなっても。 日記だとすぐに滞ってしまう僕が、ブログを毎日書いている。 奇跡。 昨日は…

妻は声楽家、夫はロックンローラー

俺はミュージシャンだ! 声楽家の千恵と結婚し、僕は音楽にはまった。 千恵の追悼コンサート「いのちのうた」では毎年、サックスでロックンロールを演奏。 ロックを聴くことは好きだったが、まさか自分がステージに立つとは想像もしてなかった。 コンサート…

自生するヨモギと抜けるまつげ

休みの日はデパ地下ぶらぶら 千恵はデパ地下が好きだった。 日曜日は、天神大丸の地下2階を歩き回っていた。 幼い娘を連れて、試食をしていた。 娘には、「いただきます」「ごちそうさま」をきちんと言わせていた(笑) 2人でもぐもぐ、もぐもぐ‥。 デパ地下…

君は、もうひとり産むつもりだったんだね

助産院がつないでくれた不思議な縁 2007年4月4日のブログ「春日助産院」の冒頭で、千恵は2人の女性を紹介している。 ひとりは沖縄の歌手、小山良子さん。 僕たち家族が始めた音楽イベント「いのちのうた」の名付け親で、歌うことを躊躇していた千恵の背中を…

完治すると信じていた

がん患者と家族の心得 「妻を助けるには、どうしたらいいでしょうか」 講演を終えた後、がん患者と暮らす家族から、こんな質問を受けることがよくある。 僕は医者ではないので治療のことは答えられない。だが、がん患者の家族として、どう接してきたかについ…

マスクマンな日々

街を歩くのも命懸け 千恵が書いたブログ「マスクマンな日々」を読んで、闘病中の彼女がどこに行くにもマスクをしていたことを思い出した。 感染症予防のためだ。 抗がん剤治療中のがん患者は免疫力が低下している。 風邪をひいたら、肺炎になって死に至るこ…

「いいとこ取り」で病を治す

心を癒やす「酵素風呂」 お彼岸に、亡き妻千恵が眠る福岡県糸島市の墓を訪れた。 墓参りの後はいつも、近くの風呂に立ち寄る。 風呂といっても普通の風呂ではない。ヒノキのおがくずに野菜や果実などが原料の70種類もの酵素を混ぜ込み、その発酵熱を利用した…

あの人に会うまで、生きる

人生7割で良し がん闘病中の千恵が実践していた主な治療は、標準治療と食事療法。 もうひとつ、治療の土台として重要視していたことがある。 「心の持ちよう」だ。 具体的には、笑うこと、ぼーっとすること。 千恵は、仲良しの友人とお茶を飲み、映画を観て…

妻の生き方を変えた旅館経営者の言葉

「台所から社会を変えたい」 千恵の乳がんが発症した2000年7月。 手術直前まで、僕たちは旅行や映画、コンサートなどに出かけた。 夜、眠れなくなることがないように。体がヘトヘトになるまで楽しんだ。 乳がんの不安を少しでも薄める狙いがあった。 千恵の…

笑ってはいけないと思うと笑いが止まらない

妻のルポルタージュ「ネタ探しの旅」(後編) 僕の手術は無事に終わったが、その後も災難続きだった。 入院の付き添いを面倒くさがっていた妻が、なぜか夕食まで付き合ってくれるようになった。 その理由は‥。 面白い病院(2007年3月2日) 昨日、1時間程度で…

暮らしに笑いを

ユーモアで包み込んだ指摘 こいつ、なかなかやるなあ。 僕の入院をネタにした千恵のブログを読んで、そう思った。 当事者にとってはつらい話であるが、当事者が読んでも笑えるのだ。 ディスられていることを感じさせないユーモア。 手術の不安が薄まり、免疫…

エプロンに込めた母の思い

今死ぬ気はないから、まだ死ぬ準備はしない わが家には数え切れないほどのエプロンがある。 ほとんどが子ども用。身近な大人たちが、はなのために買ったものだ。エプロンは、千恵が「食べることは生きること」を、はなに伝えようとした象徴でもある。 2007年…